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コロナ危機が繁殖チャンス:したたかなScotlandハナウド属! (BBC-News, May 20, 2020)

giant hogweed

 この時期、山菜採りにバード・ウオッチングもいいが、野山は、何もしないで、ただ自然の中を歩いても、結構楽しい。しかし、気をつけないといけないことがある。それは、マムシでもクマでもない。いや、実はそれよりも怖いものだ。

 一つは、漆(うるし)の木。そばに近寄ったり、あるいは葉っぱに触れると、手や顔が赤く腫れ上がることがある。そして、なかなか治りにくい。

 今一つは、セリ科ハナウド属の大型種。これには 2種があり、北米原産の「オオハナウド (Cow Parsnip)」学名[Heracleum maximum]とコーカサス原産の「バイカルハナウド (Giant Hogweed)」学名[Heracleum mantegazzianum]。

 この 2種は、花の咲き方違う。しかし、どちらにせよ、「phototoxicity (皮膚光毒性)」があり、茎や葉のトゲがささって樹液がつくものなら、日光がその過敏性を強めて、「life-changing (人生が変わるかと思われる)」ほどの猛烈な痒みに襲われ、「burns (腫れ)」、「blisters (水脹れ)」、「scarring (痘痕)」と悲惨な結果が起こる。

 ただし、どちらかは定かではないが、かって、アイヌ民族は、大型ハナウド属を「ピットㇰ」と呼んで、まだ花の咲かない茎を刈り取って日干しにし、冬に向けた備蓄食材とした。

 さて、「Giant Hogweed」は別名「Giant Cow Parsley (ジャイアント・カウ・パセリ)」。19世紀、Scotlandの「園芸家 (horticulturalists)」が「ornamental plant (鑑賞植物)」として自宅の庭に持ち込んだ。Scotlandの気候が、この植物に適していたのか、背丈が数メートルに達するこの「パセリ」はドンドンScotland中に広がった。

 一株が約50,000粒の種子を付けて、これが周辺に飛び散る。しかも、すぐに芽が出せない環境なら、20年間も辛抱強く生き続けて、チャンスを待つ。これは、もう、「almost indestructible (ほとんど不滅)」の植物だ。野に放したら、これを絶滅させることなど不可能。

 さらに悪いことに、この数年の暖冬に加えて、大雨が降り続いたため、「Giant Hogweed」にとっては「願ったりかなったり」の状況となった。水嵩(みずかさ)が増した川が、川辺の「Giant Hogweed」の種子を下流域に運んで、その繁殖範囲を急激に広げたのだ。

 これまで、この「the nastiest weed (最悪のやっかいもの)」を駆除する方法と言えば、人海戦術と除草剤 (herbcides)。それに、除草剤が使えない場所はイギリスの羊「Black Face Sheep (ブラックフェイス)」種に頼らざるを得なかった。ただし、羊が食べるのは、1mほどの小さい「Giant Hogweed」に限られた。

 その駆除作業を 1年でも怠ると、「Giant Hogweed」は手がつけられほどになったという。

 それが、コロナ危機で「外出禁止」となり、この3月から駆除作業ができていない。チャリティ団体「Forth Rivers Trust」の Ms Arison Bakerは、「この外出禁止のせいで、これまでの15年間続けて来た作業が、2年前に逆戻りしてしまった」と嘆く。

 なお、「hogweed」を直訳すると「ブタ草」。しかし和名の「ブタクサ」は英語で「ragweed」と呼び、「hogweed」とは違う種類だ。注意が必要。

 

おわりに:アイヌ民族は、敬意を払うべき日本列島の「先住民(indigeneous peple)」だ。その自然とともに生きた民族の知恵の一部を、次の一冊に見ることができる。

・福岡イト子:アイヌ植物誌、草風館、1995

                               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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