炭酸ガスCO2が足りないって?:大気中に溢れているのに! (BBC-News, Sep 21, 2021)
これはなんとしたことだ。「足りない、足りない」と困っているのは、地球温暖化を招くほど、大気中に有り余っている二酸化炭素CO2。とくに、UKの食品業界で「food grade CO2 (食品用炭酸ガス)」が不足している。
原因は、CO2製造に必要な天然ガスの価格が高騰し、UKのTeesside (ティーズサイド)とCheshire (チェシャー)の2大工場が、その操業を停止したため。(この 2工場だけで、UK全供給量の約60%を占める。)
天然ガスの価格高騰の背景には、オランダ、ロシアからの天然ガスが思うようにUKに入らず、また中国の需要が高まって、需要と供給のバランスが崩れ、一時的に品薄状態に陥った事情がある。
UK政府は、メーカーの「CF Industries」と交渉を重ね、一応、工場再開の契約を取り付けた。ただし、市場が元の正常な状態に戻るまでには 2, 3日掛かるという。
食品用CO2は、窒素肥料の製造過程で副産物として生産される製品だ。
その主な用途は
・炭酸水、ソフトドリンク、アルコール類
・パブのビール・ドリンクのディスペンサー (サーバー)
・温室栽培における植物生長促進ガス
・ブタ、ニワトリの屠殺ガス
・生鮮食品の密封ガス
その他にも
・病院の侵襲手術用
・原子炉のクーラント (冷却液)
・救命ボート・ライフジャケットの膨張ガス
・液体溶媒
として、欠かせないガスだ。
おわりに:UKの社会は危うい状態に置かれている。EU離脱が裏目に出て、おまけにトラック運転手が極端に不足し、流通に支障をきたしてガソリン不足にあえぐ。一方、コロナ感染は、なかなか下火にならず、医療関係者も経済も疲弊し、地方と都市、貧乏人と富裕者との貧富の格差は拡大するばかり。さて、この危機をBoris Johnson首相が、どう、乗り切るか、お手並み拝見。
(写真は添付のBBC Newsから引用)