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ゴミ、土砂の不法投棄:自然環境を汚染、破壊し、人命まで奪う! (BBC-News, Sep 20, 2021)

Fly-tipping

 どんな法律、条例、ルールであれ、違反者を取り締まるこができないのなら、それは、法律でも条例でもルールでも、なんでもない。

 熱海市で長年見過ごされて来た不法な土砂投棄 (盛り土)は、9月 3日、これが主たる原因と見られる土石流が発生し、尊い人命 (死者26名、行方不明者1名) を奪った。なんとも痛ましく悲しい事件だった。(犠牲者には心から哀悼の意を表したい。)

 

 交通違反や泥棒、詐欺・傷害などの犯罪は、警察が取り締まるが、騒音、公害、ゴミの不法投棄などは、自治体が『指導』するという。しかし、その当局の、違反者に対する『指導』の実態は、極めて「及び腰」だ。せいぜい、「こわごわ」ながら書類等で注意を促す程度。これでは、悪人、悪徳業者が はびこるだけだ。

 

 しかも、熱海市の不法な土砂投棄は、ほんの[氷山の一角」だ。行政当局であれ、警察であれ、「法の番人」は、扱う案件が「環境に絡んだ問題」となると、とたんに、逃げ腰になると聞く。

 

 さて、ゴミの不法投棄 (fly-tipping)は、紳士の国 Englandでも手を焼いている問題だ。England南東部「Cornwall (コーンウォール州)」では、辺鄙な村「Illogan (イローガン)などの人目のつかない山林・空き地に、古くなったボイラーや家庭用品が山積みされて捨てられている。州議会が、この不法投棄のゴミの山を除去するのに要する経費は、毎年£300,000 (約4,500万円)。

 

 ついに、「Environment Agency (環境庁)」が動き出し、Cornwall Council (コーンウォール州議会)と連携して、行政に対する協力を住民に依頼することにした。

 

 『ゴミは「当局から認可を受けた処理業者 (permitted waste carriers)」に運んでもらうこと。Illoganのような過疎地にゴミを不法投棄した場合には、「起訴され(prosecuted)」、罰則を受けることもある。』

 

 なお、処理業者は「trading fairly (適正な価格)」でゴミ処理を担当し、その業務内容は「Trading Standards (取引基準局)」によって、事細かなチェックを受けるという。

 

おわりに:「公害」が、なぜか「環境汚染」の言葉に置き換えられ、「イタイイタイ病」「ミナマタ病」が人々の記憶から忘れ去られるようになってしまった。しかし、過去に起きた多くの公害事件は、行政が的確な取締を欠いたことに、その原因があることを忘れてはいけない。

           (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.co.uk