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再生可能エネルギーの普及を邪魔する公益事業体:電力会社! (BBC-Sci & Env, September 1, 2020)

China

 「hypocricy (偽善)」とは、邪悪な心(本心)を他人に悟られないように、うわべだけ、善人ぶったふるまいをすることだ。

 Oxford大学の Ms Galina Alovaらの研究グループが、3,000を超える世界中の電力会社の、過去20年間における事業活動を分析し、その結果を科学雑誌「Nature Energy」に発表した。

 その調査研究によると、世界全体が、地球温暖化対策、温室効果ガス削減対策として、石炭・石油を燃料とする火力発電から風力・太陽光発電へと、エネルギー生産方式の転換を目指す中で、この動きを邪魔立て(hindering)しているのは、電力会社であることを突き止めた。

Wind farm

   確かに、この数十年の間に、UK、ヨーロッパ諸国では、風力・太陽光を利用した再生可能エネルギーが普及し、UKでは、昨年、そのエネルギーの割合が約40%に達した。しかし、その再生可能エネルギー施設のほとんどは、「independent producers (独立系発電事業者)」によって建設されたものだ。

 

 大手電力会社は、たいてい公益事業者として独占的に発電・送電事業活動を実施する、いわゆる「utilitiy company」だ。

 そして、うわべだけは、「クリーンなエネルギー開発、温室効果ガスの排出量を抑えるための技術開発を進める」などと、きれいごとを並べても、実際には、再生可能エネルギー 開発の優先度を上げることはなかった。世界の期待に対し、真摯に応えた電力会社は、わずか10%に過ぎないという。

China

 大手電力会社の多くは火力発電に対する投資を増やし、これまでとは何ら変わらず、化石エネルギー生産に重点を置いた経営を進めた。

 

 グリーンエネルギーを呼びかける声が高まっても、電力会社の幹部の頭には、風力、太陽光が思い浮かばない。世間がうるさくなると、ひとまずCO2排出量の少ない天然ガス発電に切り替えて、温室効果ガス対策に協力しているフリをするだけだった。

wind farm

おわりに:十年ほど前、電力会社は風力・太陽光発電を極力嫌った。その理由として、発電量が変動し、送電系統に支障をきたすためと強く主張した。それが本当なら、どうして、その問題を解決するための技術開発に取り組まなかったのだろう。誰にでも分かるように、理由は他にあったのだ。

                         (写真は添付のBBC Newsから引用)

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