ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

セヴァーン川のサケ漁禁止:サケは保護され、釣り人怒る! (BBC-News, Sep 17, 2021)

Migrating salmon

 Walesの「River Severn (セヴァーン川)」といえば、UKでもっとも長い川 (全長354km)として有名。Wales 中部のカンブリア山地に源を発し、Shrewsbury, Worcester, Gloucesterを通って、「Bristol Channel (ブリストル海峡)」に流れ下る。

 その川を遡上するサケの群れが、近年、めっきり減った。状況は「below sustainable level (持続可能なレベル以下)」という。

 

 そこで「Environmental Agency (環境庁)」は「River Severn」ならびに「Severn Estuary (セヴァーン河口)」におけるサケ漁を全面的に禁止することにした。許されるのは、「catch and release」のみ。ただし、釣ったサケは、速(すみ)やかに、しかも、できるだけ魚体を傷つけないように川に戻さなければならない。

 さらに、撒き餌 (bait)、返し針 (barbed) は使用禁止だ。Angler

 この当局の「サケ漁禁止条例 (The new by-laws to protect Severn salmon stock) 」に対して、釣り人 (anglers)約30,000人からなる「The Severn Fisheries Group (セヴァーン川漁業グループ)」は憤慨し、異を唱える。その言い分は、こうだ。

 

『我々釣り人は、むしろ、川をその目、耳で監視する見張り役を担ってきた。この条例の施行が強行されると、セヴァーン川から釣り人がいなくなり、「illegal fishing (不法漁業)」、「poaching (密猟)」が増えて、これまで以上に大量のサケが漁獲されかねない。』

 

 しかし、それは、釣り人側の屁理屈としか思えない。

 サケ漁の禁止の目的は、あくまで、セヴァーン川を遡上するサケが、確実に「産卵場(spawning grounds)」にたどり着けるようにすることにある、と当局は説明する。

 

おわりに:絶滅寸前にありながら、必死で川を遡(さかのぼ)るサケの姿ほど、生命に秘められた迫力の感動を与えてくれるものはない。そのサケを、単なる娯楽で釣り上げるのは、「gentlemen」の振る舞いから かけ離れた所業ではないか。たとえ、釣ったサケを川に放したところで、サケは体力が消耗し、アゴに深い傷を負うことは避けられないだろうに。

     (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com