凶暴なデルタ変異株:重症化し、入院治療するリスクが 2倍に増! (BBC-Health, August 29, 2021)
UKの南部 Kent (ケント州)で初めて見つかったCovid-19の変異ウイルス「アルファ株」が、インドで初めて確認されたデルタ株に徐々に駆逐、置き換えられ、そのデルタ株がUK全土で猛威をふるい始めた。
2021年 8月28日 (土)の新規感染者数は 32,406人。PCR検査で陽性の知らせを受け、その後 28日以内に死亡した人は、この日の段階で、133人にのぼった。
UKはもとより、多くの国で感染の主流になりつつあるデルタ型変異ウイルス。それは、どれほど、重症化しやすいものなのか。
「Public Health England (イングランド公衆衛生局 PHE)と「The Medical Research Council (英国医学研究審議会 MRC)」は、今年の 3月29日から 5月23日までの間にEnglandで Covid-19に感染した患者 43,338人について調査し、その結果を医学雑誌「The Lancet」に発表した。
それによると、感染して重症化し、入院した患者の内訳は
・1.8%:ワクチンを2回接種
・24%:ワクチンを1回のみ接種
・74%:ワクチン未接種
なお、PCR検査で陽性となり、その後 14日以内に入院が必要と判定された患者の割合は約 50人に 1人だった。その内訳は
・196件:デルタ株感染者の 2.3%
・764件:アルファ株感染者の 2.2%
ただし、感染者の年齢、性別、民族性を考慮してデータを解析した結果、デルタ株に感染すると、重症化し、入院するリスクは、アルファ株に比べ 2.26倍も高いことが分かった。
UKでは、16歳以上の国民のおよそ 88%に当たる約 4,790万人が、第1回めのワクチン接種を終えていて、2回めの接種を受けた人は約 4,200万人 (約78%)を数える。
これほどワクチン接種率の高い国の UKだが、Boris Johnson政権が感染拡大防止規制を解除したせいか、このところ、Covid-19感染拡大が再燃している。
専門家によると、規制解除の段階ではデルタ株が考慮されなかったという。
おわりに:Dr Peter Englishの言う「not very clever politicians」の判断ミスで迷惑あるいはとんでもない災難を被(こうむ)るのは常に国民だ。「politicians」は専門家の意見、国民の声を聞くとは言うものの、その意見・声を真剣に聞くことなど、ほとんどない。ただ聞き流すだけだ。
謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。
The Guardian: August 27, 2021
・Delta variant doubles risk of hospitalisation, new study finds
(写真は添付のBBC Newsから引用)