お酒で死亡する人がScotlandで続出:原因はコロナか貧困か? (BBC-News, August 17, 2021)
Scotlandは、北の寒い国だ。そのScotlandで、お酒を飲みすぎて死亡する人が続出している。
自治政府の「minimum unit pricing (アルコール飲料最低価格政策)」が功を奏して、2019年には「alcohol-specific deaths(アルコールが原因で死亡する人」が前年比で10%も下がっていたのに、Covid-19感染が広がって、人々が家の中に閉じ込められたせいか、2020年になると、いっきに17%も増加し、死者数が1,190人となった。
この死亡者数は、記録を取り始めた2008年以降で最悪の数値とか。
お酒を飲みすぎて罹患する主な病気は
・Alcoholic liver disease:アルコール性肝疾患
・Mental and Behavioural disorders:精神・行動障害
さらに「The National Record of Scotland statistics (スコットランド国立統計記録)」によると、アルコールが原因で死亡する人の特徴として
・男性の死亡者数は女性に比べて2倍以上
・50代、60代に多く、死亡者の男女別平均年齢は
男性:59.9歳
女性:57.4歳
・最貧困地域 (the most deprived areas)の死亡者は、富裕地域に比べて4倍以上
なお、この問題に取り組む「Alcohole Focus Scotland」の最高責任者 Ms Alison Douglasは、統計データの示す結果が「devastating to see (見るも無残)」と嘆く。
また、Scotland保守党で健康問題の広報を担当する Annie Wells議員によると、お酒を飲みすぎて死亡する人が増えた原因を、コロナ・パンデミックだけ求めるのは、「grievou mistake (大きな間違い)」と指摘。貧困地域を中心に、アルコール依存症の治療・リハビリの体制を早急に確立する必要があると訴える。
ともあれ、Covid−19感染で冷え込んだ経済が、先進国の Scotlandと言えども、そこで暮らす貧困層の生活を圧迫していることは事実のようだ。
ただし、
”Alcohol addiction should be treated as an illness.”
[ アルコール依存症 (アルコール中毒) は病気だ。しっかり治療する必要がある。]
おわりに:ヒト属 (Homo)は精神面で か弱い生物だ。ともすれば、「お酒」の泥沼にはまり込み、そこから足を抜くことができなくなることが多い。
(写真は添付のBBC Newsから引用)