ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

Scotland「カラヴァロック城」:河口から高台に移設された謎の城

Caerlaverock site

 カラヴァロック城 (Caerlaverock Castle)は、不思議な城だ。上空から眺めると、全体が 3角形で、城の周りは堀で囲まれている。しかし、この城は、始めから、この場所にあったものではなかった。なぜ、移設されたのか。それは、これまでナゾとされてきた。

 

 ScotlandとEnglandとの境界に当たる「River Nith (ニス川)」の河口に、その川の玄関口を固め、すぐ近くに位置するマーケット・タウン (market town)「Dumfires (ダムフリース)」をEnglandの侵攻から守るために、最初に「Caerlaverock Castle」が建設されたのは、1229年のことだ。

 

 しかし、England王「King Edward I (エドワード1世)」が、1300年に Scotlandに侵攻した際には、その場所に城はなく、内陸の高台 (標高約400m)に堅固な石造りの城がそびえていた。Caerlaverock Castle

 Sterling大学の Dr Richard Tipping, Dr Eileen Tisdallの研究チームは、「The Castle Studies Scotland」の後援と「The Castle Studies Trust」基金を得て、その城の移設の秘密を探ることにした。

 今後は、旧城跡、「堆積物 (sediments)」、嵐の痕跡などに関し、最先端の考古学的調査 (cuting edge archeological research)を進める予定。

 なお、城の移設には、中世にこの地「Solway Firth (ソルウェイ湾)」を繰り返し襲った「huge marine storms (猛烈な高潮を伴う嵐)」が関連していると考えられている。中世にも気候変動があったのだ。

 

 この頃、ニス川河口の岸辺では、どんな堅固な石造りと言えども、海から襲いかかる嵐には耐えきれなかったと思われる。Caerlaverock Castle

おわりに:城は敵の侵攻を防ぐために建設されるもの。しかし、西洋の石造りの城の内部は暗く、湿度が高く、冬は寒い。決して居心地の良いものではなかった。さらに、海からの強い風と波しぶきに曝されては、敵との戦いよりも ずっとつらい生活を強いられたに違いない。

                             (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com