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冷たいものを食べると歯に沁みる:こうすればブロックできる! (BBC-Health, Mar 25, 2021)

Girl in pain eating ice-cream

 どうしてアイスクリームを食べると、歯にツーンと沁みる痛みを感じるのだろう。

 Friedrich-Alexander大学の Katharina Zimmermann教授らの研究グループは、その痛みのメカニズムを解明し、医学雑誌「Science Advences」に発表した。

 

 歯は、外側からその中心部に向けて、次の 5つの層から構成されている。

 

・Enamel:エナメル質

・Aneloblast:エナメル芽細胞

・Dentin:象牙

・Odontoblast:象牙芽細胞

Pulp:歯髄

Scan showing the inside of a tooth

 スイーツや糖分の多いドリンクを摂取過ぎると、口の中が酸性になり、エナメル質、象牙質を傷つける。象牙質 (dentin)は、神経細胞の詰まった歯髄(pup)につながっているため、傷ついてむき出しになった象牙質が、直接冷たいものに触れると、「excruciating pain (耐え難い痛み)」の信号が脳に送られるのだ。

 

 それは分かる。しかし、その痛みの発源、シグナルの正体は何なのか。

 Zimmermann教授らは、ヒトとマウスの歯の研究を進めた結果、痛みのシグナルは「odontoblast (象牙芽細胞)」で生成される「Transient Recetor Potential Cannel 5 (一過性受容体タンパク質5, TRPC5)」であることを突き止めた。

 

 したがって、口腔内から TRPC5分子が検出されるなら、それは、何らかかの歯の治療が必要である証(あかし)。

 とりあえず、冷たいものを食べたときに歯が沁みるのは、「eugenol (オイゲノール)」などの「TRPC5 blockers」で、TRPC5の神経回路を遮断すれば、ひとまず回避できる。

 

 「eugenol (オイゲノール)」は「clove oil (クローブ・オイル)」に含まれる成分だ。なお、将来的には、さらに有効なTRPC5ブロッカーを開発し、これを練り歯磨き(toothpastes)やチューインガムに混入する、または過敏性歯痛薬とすることが考えられるという。

 

おわりに:手足の引っかき傷は、ひとりでに治るが、虫歯や歯周病だけは、そうはいかない。「おっくうだ、面倒だ」などと言わずに、自分の身体のことだ。定期的に専門医のチェックを受けるのが一番。

                         (写真は添付のBBC Newsから引用)

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