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春に時間を早めるサマータイム:どんな良いことがあるの?(RTE-News, March 26, 2021)

Spring forward, fall back...

 3月も終盤に近づくと、朝の 5時頃に、東の空が白みかけ、チュンチュンとスズメが騒ぎ始める。そして、夕日の西に沈むのが、およそ午後 6時。北風が吹き出した時節に比べると、小鳥にとって、1日の活動時間がずいぶんと長くなった。

 

 そして、この時期、花粉 (ときに、黄砂も)がふんだんに空中に舞い上がる。けれども、朝の早い時間帯では、大気有害物質も「鳴りをひそめる」。

 だから、仕事、趣味、ガーデニングなどは、朝早く始めることに越したことはない。

 

 さて、3月末と言えば、Canada、US、EU諸国の全土で、時計の針を一斉に一時間早める時期でもある。いわゆる「Daylight Saving Time (サマータイム制 DST)」を導入しているため、みんなが、時間を間違えないように注意するときだ。

1.Do the clocks change elsewhere?

 サマータイム制 DSTに従った時計の早め方は、国によって違う。

 

                    セット時刻

EU (Irelandを含む):一時間進める       01:00 on Sunday,28 March

            一時間遅らせる   02:00 on Sunday, 31 October

・Canada, US:  一時間進める     02:00 on the second Sunday in Mar.

                           一時間遅らせる   02:00 on the second Sunday in Nov.

・Australia   : 一時間進める   03:00 on the first  Sunday in April

                            一時間遅らせる  02:00 on the first Sunday in Octber

 

2.why do they change?

 冬季と夏季では、地上が「natural light (自然光)」を浴びる時間が異なる。サマータイム制 DSTを導入すると、とくに、夏の間は、仕事を終えた夕方に、自由な時間がたっぷり取れるため、緯度の高い北半球では、スポーツやホビーを楽しむことができるようになる。

3.Where did it all start?

 サマータイム制 DSTを考え出したのは、New Zealand天文学者で昆虫学者でもある「Gerge Hudson(ジョージ・ハドソン[1867- 1946)」。1895年のことだ。夏の間は仕事を早く切り上げて、好きな昆虫採集に没頭したかったためとか。

 

 その後、英国の建築家「William Willett (ウィリアム・ウィレット[1856- 1915])」もサマータイム制 DSTの導入を強く提唱した。この主張は Winston Churchillの支持を受けるが、英議会の承認が得られず、その案は却下された。

 ところが、ヨーロッパでは、1914年、WW1 (第一次世界大戦)が勃発し、各国は石炭の節約を余儀なくされる。1916年、ドイツが口火を切って DSTに踏み切る。すると、これに倣って、ヨーロッパ各国、ロシア、USが次々に DSTを導入した。

 

 WW1が終結すると、多くの国は DSTを取りやめたが、Irelandはじめ一部のヨーロッパの国、カナダ、USではサマータイム制を変更することはなかった。

 

4.Could this be ending soon?

 2019年 3月26日、ヨーロッパ議会は、2021年以降、サマータイム制DSTを廃止する法案を可決した。「やめるべし」との声は、ドイツ、フランス、オーストリアに偏っていたという。ただし、この件については、「継続審議扱い」となっていて、最終決定には至っていない。

 

おわりに:日本では、「サマータイム制 DSTの導入」の賛否が割れている。「そんなことをすると、残業が増えるだけだ」とする意見は、反対派の言い分だ。「働きすぎを改めよう」の掛け声はいったいどうしたのだろう。とにかく「仕事が命」、「仕事しかやることがない」人が多すぎる。

 

 (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie