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ハリケーンの「normal(普通)」が崩れ:見直し迫られる! (BBC-Science, Mar 15, 2021)

Hurricane Iota

 医学の世界で、脈拍や血圧、血糖値などの測定・検査結果を「normal (ノーマル)」といえば、これは「正常」の意味。

 しかし、一般に (normally)」、「normal (ふつう)」とは随分と曖昧な言葉だ。

 

 これを逆手にとって、こんな受け答えをする子どもがいるそうだ。

・「テレビをよく観ますか」『ふつう』

・「スポーツは好きですか」『ふつう』

・「友達はいますか」 『ふつう』  

                 などなど

 

 さて、昨今の「異常 (abnormal)」は、子どもたちに限らず、気象にも現われている。その一例が「Atlantic hurricane season (大西洋ハリケーンシーズン)」。

 これまでの「normal」な見方によると、ハリケーンが大西洋に出現するのは 6月 1日以降だった。これは、過去 30年間 (1981−2010年)の平均値を「normal (平年並み)」としていたからだ。

 

 ところが、対象データを1991- 2020年に限ると、ハリケーンの出現は 5月中旬にずれ込んで早まり、その発生数も「dramatically increase (劇的に増加)」している。

 従来の「normal」が、確実に「normal」ではなくなっているのだ。

Infographic

 ただし、この「異常な気象現象が、地球温暖化によるもの」と断定するには、確たる証拠が不十分。

 Miami大学「Rosenstiel School」のDr Brian McNoldによると、単に、ハリケーン発生頻度に周期性が現われた結果に過ぎないとも、あるいは観測精度が向上して小さなハリケーンの姿まで捉えることができるようになったことに原因があるのかも知れないという。Weather monitoring satellites

 しかし、いずれにしても、「climate change (気候変動)」が「tropical storms and hurricanes (熱帯性低気圧・ハリケーン)」に影響を与えているのは事実のようだ。

近年、熱帯低気圧が一旦大陸に上陸すると、居座り時間が長くなり、これまでよりも大きな被害を与えるようになった。

 

 さらに、地球の温暖化に伴って、海水面からの水分の蒸発量が増し、大気中には、豪雨をもたらしかねない大量の水分がいっぱいだ。それに、海水面が上昇し、嵐が来ると、土地の低い地域が洪水に見舞われるリスクも高くなった。Louisiana hurricane damage

 2017年、ハリケーン「Harvey」が Texas (テキサス州) Houstonを襲ったときは、1,270億トンの雨が降り、2019年に発生したハリケーン「Dorian」は、Grand Bhama (グランド・バハマ島)の大半を水浸しにした。

 

おわりに:気まぐれで、暴れもの。なにもかも吹き飛ばし、平気でひとの命を奪う。そんな台風・ハリケーンにも、なにか一つぐらいは良いことをやってもらいたいものだ。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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