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気象が狂った!:今後も、ヨーロッパに集中豪雨、氾濫が続く恐れ大 (BBC-Science, Aug 24, 2021)

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 産業革命後、人類は競って化石燃料を地下から掘り出しては、これを消費し、大気圏に大量の CO2, CH4などの温室効果ガスを排出し続けて来た。

 その結果、どうなったか。世界中の気温が上昇し、世界中の気候・気象が狂い出した。気温が 1℃上昇すると、大気中に含まれる水分が約 6%上がると言われている。

 

 気候変動によって乾燥が激しくなり、頻繁に山火事が発生する地域も現われたが、その一方で、地球の一部では、これまでにない大雨が降る状況に陥ったのだ。

 

 既存の気象予測、水文学は、ほとんど役に立たないものになった。なにしろ、「数百年に一度」規模の集中豪雨、河川の氾濫が、いつ、どこで起きるのか、検討がつかなくなったのだ。

 この7月、ドイツの Ahr (アール)川、Erft (エアフト)川、ベルギーの Meuse (アース)川の流域に降った大雨は、「400年に一度」の未曾有(みぞう)の災害をもたらした。河川は氾濫し、あっという間に人や家畜を濁流に飲み込みこんで、住宅、道路、鉄道、橋なども甚大な洪水被害を受けた。少なくとも200人が命を失ったと言われている。誰にも予測できなかったものだ。

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 なお、降雨量に関して、特定の狭い地域に限定した、地球温暖化、気候変動の影響を評価することは困難。そこで、「The Royal Dutch Meteologial Institute (オランダ王立気象研究所)」の Dr Sjoukje Philipらの「The World Weather Attribution group」は、解析対象を西ヨーロッパ (ドイツ西部、ベルギー東部、オランダ、ルクセンブルグ、スイス保北部を含む) を拡大して、モデル解析を実施した。

 

 すると、人間が引き起こした気候変動によって、西ヨーロッパに発生する集中豪雨の頻度は 7倍に増加し、しかも、その豪雨の強さが 3− 19%も強力になっていることが判明。

 このまま、温室効果ガスの放出が続き、気温が上昇し続けると、今後、ドイツ、ベルギーで発生した大規模な豪雨災害が、西ヨーロッパのどこにでも起こる可能性があるという。

 

 ではどうすれば良いか。 

 できるだけ早急に、温室効果ガス排出量の削減を進めることはもちろんだが、それだけでは、災害「casualties (死傷者)」をゼロにすることはできない。豪雨災害発生時の危機管理、警報システム、防災に向けたインフラ整備が欠かせないと、研究者は指摘する。floods

おわりに:異常気象に対応するためには、「豪雨、河川の氾濫」に関する研究、災害対策、防災計画の抜本的な見直しが必要だ。これまでの政府・自治体の取り組みがどのように機能し、役立っているのか知りたいものだ。

                          (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.co.uk