この世では、道理が通じない、理不尽で、ムチャクチャなことが、当然のようにして起こることがある。比較的若い女性 (50歳以下)が新型コロナに感染すると、ひどい後遺症に悩まされるという事実も、その一つだ。
Glasgow大学の Dr Janet Scottらの研究グループが、昨年 (2月5日- 10月5日:8ヶ月) の間に、新型コロナに感染して入院した患者 327人について調べた結果、50歳以下の女性グループは、男性あるいは高齢者のコロナ感染グループに比べて、長期にわたって、その後遺症に苦しめられることを突き止めた。
入院してから回復するまでには 3ヶ月以上を要した。その長さは、他の感染グループに比べて 5倍。他にも長期的に
・fatigue (疲れやすい):2倍
・breathless (息切れする):3倍
と、若い女性のコロナ感染者は、散々だ。さらに、同世代の男性に比べて、次の後遺症障害 (diabilities)に悩まされる傾向が高いという。
・memory:記憶障害
・mobility:運動障害
・communication:コミュニケーション障害
また、Edinburgh大学と Leister大学も、「The longer-term health implecation of Covid (コロナ感染による長期的な健康障害(後遺症)」に関する研究「The PHOSP-COVID study」に取り組み、2020年の3月 -11月の間にUKの病院に入院したコロナ感染者 1,077人について調査した結果、ほとんどの感染者が、治療を開始して 5ヶ月を過ぎても、充分に回復することはなかった。
そればかりか、後遺症として
・muscle pain:筋肉痛
・fatigue:疲労感
・impaired sleep quality:睡眠障害
・short-term memory loss:短期的な記憶損失
を含む、平均 9つの「慢性的な症状 (persistent symptoms )」に悩まされていた。
とくに、糖尿病や肺疾患などの「既存疾患 (co-morbidities)」を 2つ以上抱えている中年の白人女性には、より深刻な症状が認められた。
なお、高齢者や男性のコロナ感染グループには、「brain fog」すなわち「clouding of consciouness (意識混濁)」と呼ばれる、軽度の「impaired cognitive function (認知機能障害)」が起こりやすいことも分かった。
おわりに:新型コロナ感染の、本当の恐ろしさは、その後遺症にある。入院・治療後に、医者に回復したと言われて自宅に帰されても、その回復の中身は不透明。ほとんどの感染者が後遺症に苦しんでいるのだ。その実態が、ここにある。
(写真は添付のBBC Newsから引用)