「ラニーニャ(女の子)」が発生:太平洋の海水が冷え、寒い冬に! (BBC-Science, October 29, 2020)
太平洋を東から西に吹き抜ける貿易風が強まると、南米アルゼンチン沖の熱帯太平洋東部で暖められた海水が、インドネシアに向かって流れ出し、これに誘われて海洋深部の冷たい海水が浮上する。「La Niña (ラニーニャ現象)」の始まりだ。スペイン語で「女の子」の意味だ。
WHO (世界気象機関)によると、この冬に先駆けて、極めて強い「La Niña」が発生し、太平洋は異常な低温となった。
この結果、今年の冬は、次のようになる可能性が高い。
・Indonesia, Australia:平年に比べて雨が多くなる
・Southern Asia:モンスーンが発達する
・Canada、Northern US:強風と雪の日が続く
・Southern US:干ばつに襲われる
(・Japan:寒い冬となる)
なお、WHOの予測では、熱帯太平洋の海水の異常低温が、今年いっぱい続く確率は90%、さらに2021年上半期まで続く確率は55%。
しかし、幸か不幸か、強烈な「La Niña」と言っても、地球温暖化が、その大気の冷却効果を相殺し、2010年のような影響は出ていないという。すなわち、「La Niña」が発生しても、地球は、やっぱり暑いのだ。
ただし、「La Niña」は、海水面と大気上層の風のズレ「wind shear (ウィンド・シェア)」を小さくするため、「hurricanes (ハリケーン)」を発達させる。
ハリケーン・シーズンは11月末で終わるが、NOAA (アメリカ海洋・大気庁)の予想では、それまでに、発生するハリケーンの数は 19 -25個だ。
おわりに:気象の予測は難しいようだ。ありがたいことに、前代未聞と騒がれた超大型台風の進路・強さも、見ごとに、その予想を外れた。「晴れ」の天気予報が「雨」に変わることはしょっちゅうだ。「今年の冬は寒い」との長期予報が気象庁からまだ出されていないが、「寒くなる」との、この本予想も外れて欲しいものだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)