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コロナ感染の重症化・死亡リスク:「貧困」と高い相関性があった! (BBC-News, Dec 15, 2020)

intensive care bed

 興味や人生の充実感・幸福感は、人によって違う。観光客も訪問客もほとんど来ない北国の孤島で、わずかばかりの田畑の耕作を糧(かて)にしながら、毎日の暮らしに充足と幸福を見出す人もいるだろう。

 しかし、そんな生活であっても、ときには病気に罹(かか)ることもあれば、強盗に襲われたり、知的な情報が必要になったり、子どもが生まれると、その教育だって欠かせないはずだ。

 

 生きていくためには、生活する上で、少なくとも最小限の「socioeconomical issues (社会経済上の条件)」が整っていることに越したことはない。

 

 さて、Scotlandでは、全土を約7,000に小分割し、その各地域の「Index of Multiple Deprivation (多重貧困指数 IMD)」を算定している。その根拠となる主なデータは

 

・Income:収入

・Enployability:就業能力

・Education:教育

・Health:健康

・Crime:犯罪

・Barrier to house and service:住居・公共サービスのバリア

・Living environment:生活環境

 

したがって、IMDマップを見れば、ひと目で、貧困地域が特定できる。

 

 Edinbugh大学の Dr Nazir Loneらの研究グループは、Glasgow大学と共同で、新型コロナ Covid-19感染の重症患者のカルテと緊急入院治療患者のカルテを調査し、驚くべき事実を発見した。

 Scotlandの極貧地域の住民は、富裕地域に比べて、コロナに感染すると重症化もしくは死亡するリスクが、圧倒的に高かったのだ。

  さらに、貧困地域における医療機関の重症化病棟の病床数が逼迫(ひっぱく)していた。

 

 明らかに、コロナ感染の「重症化 (severe disease)」と「貧困(poverty)」との間には強い相関製が認められたのだ。

 Dr Loneは、その主な原因として

 

・poor housing:粗末な住居

・increased use of public transport:公共輸送機関の使用増

・financial pressure to continue working:経営上の資金難

などが考えられるという。

 

おわりに:金持ちであろうが、貧乏人であろうが、人の命の尊さに変わりはない。けれども、貧困者が Covid-19に強く晒されていることは、まぎれもない事実。とすれば、ごく一般的な感染予防対策、医療体制では不十分だ。その社会経済上の格差から生じるハンデイを補うための、緊急の特別処置が求められている。

       (写真は添付のBBC Newsから引用)

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