「Gleann na nGrealt (気狂いの谷)」で農業に転身:これが大成功! (RTE-News, Oct 24, 2020)
Ireland南西部「Tralee (トラリー)」の町はずれに、緑豊か (verdant)で「雄大な峡谷 (a majestic glen)」が広がる。そこは「Gleann na nGrealt」すなわち「The Valley of the Mad (気狂(ちが)いの)谷」と呼ばれる地だ。
その谷には、こんな伝説が伝わる。『気の狂った人がその谷を下りて、村の井戸水を飲むと、精神が癒やされ、正気に戻ったという。』
時が移り変わるとともに、その谷一帯には肉牛が放牧された。しかし、やがて、その牧畜農家も土地を手放すことになった。今から 13年前のことだ。
さて、その町「Tralee」に O'Connor夫妻が住んでいた。Mrs Claire O'Connorは programmerとして、Mr Thomas O'Connorはパブの主人として働いていた。しかし、「気狂いの谷」の農地が売りに出されると聞くと、その「堅実な仕事 (solid jobs)」からあっさりと身を引いて、広大な農地を購入し、まったく経験したことのない農業を始めた。
農地の広さは 25acres (約10ha)、すなわち国際サッカー場の約10倍の面積だ。とんでもない広さの土地と空間を手に入れたのだ。
この土地の全てに野菜を植え付けるのは、とても無理。そこで、土地の 15acres (約6ha)に Ireland固有種の樹木を植林し、4acres (約1.6ha)は果樹園に、残る 6acres (約2.4ha)を、 野菜畑とビニールハウス(polytunnels) 栽培に当てることにしたという。主に、
・lettuce:レタス
・cucumber:キュウリ
・turnips:カブ
・kale:ケール
を植え付け、他に、
・ducks:アヒル
・geese:ガチョウ
・hens:ニワトリ
を飼育する。こうして「mixed farming (混合農業)」に取り組んだ。
その一方で、Traleeに直営販売店「Manna Oarganic Store」を設け、Thomasが農場で栽培した新鮮な野菜を、そこで販売した。店を取り仕切るのは Claireだ。
O'Connor夫妻の農産物は引っ張りだこになった。売上げは上々とか。
おわりに:めでたし、めでたし。13年前に、パブ経営に見切りを付けていなければ、今頃は、コロナ感染拡大防止に向けた夜間営業規制の影響をまともに受けて、苦境に追い込まれていたに違いない。
(写真は添付のRTE Newsから引用)