航空会社JAL.ANAに限らず、電車、バス・市電などの公共交通 (commuter )の運営会社は、どこも赤字経営に苦しむ。数十年前に比べて、地方都市の人口が急減し、産業構造や生活様式が変わったせいもある。廃線間近の鉄道、バス路線に、急場しのぎの公的資金を投入したり、第3セクター経営にしたところで焼け石に水。
これに、新型コロナが追い打ちをかける。御上(おかみ)の「不要不急の外出は控えよ」のお達しが功を奏したのか、乗車感染を避ける大衆の心理が働いたのかは不明だが、とにかく、電車・バスには、できるだけ「乗らない方が良い」になった。
しかし、公共交通機関の経営責任者あるいは政策責任者は、もっとも重要な点を忘れている。マニアは別にして、鉄道・バスの旅、通勤は「不快で、煩(わずら)わしく、ストレスの多い時間」に閉じ込められ、これをじっと我慢しなければならないものになっている点だ。
確かに、マイカー利用・通勤に比べて、「commuter (公共交通)」はコストが安い。けれども、
・close proximity to others:他人の体と近づき過ぎる
・journal delays:運行時間の遅れ
・the anti-social behaviour of other passengers:マナーの悪い乗客
に悩まされ、このどうしようもない「commuter freak-out (コミュータにつきもののイライラ)」を、乗車中はとにかく何とかやり過ごさなければならないのだ。
こんな状況に置かれて、ストレスが溜まると、不安がつのり、血圧が上がり、健康にとって良いことは何もない。
さて、ワクチン摂取が順調(?)に進んで、社会が正常に戻りつつある中で、これまでどおりのテレワークを続けるわけにはいかない。少なくとも当分は、コロナ感染を気にしながらも、電車・バスに乗って会社に出かける必要がある。
人によっては、「commuter freak-out (あのイライラ)」が不安のあまり、その気分から逃れるために、「感情的摂食 (emotional eating)」に走ることもあるとか。
そんな「イライラ」を和らげるテクニックがあるという。以下は、Dr Meg Arrollが勧める「strategies (イライラ解消・緩和戦略)」。
1.Having some water:水を持ち歩く
公共交通は「hot and suffy (暑い上に人熱(いき)れでムンムン)」。だから余計に気が滅入る。そこで、水を持ち歩くことを勧めたい。
2.Distraction techniques:気を紛(まぎ)らわす
音楽・ポットキャストを楽しむか、本などを読んで気を紛らわす。それでも、気分が落ち着かないなら、「plotlines (本や映画のあらすじを思い浮かべること)」に集中してみよう。
3.practicing mindfulness:マインドフルネスの実践
電車やバスの座席に座っているなら、今の自分の心に耳を傾ける「mindfulness」に挑戦してみよう。
4.Diaphragmatic breathing:腹式呼吸
心が穏やかでないなら、diaphragmatic breathing (腹式呼吸)」をやってみよう。この呼吸法を繰り返すと、「parasympathetic nervous system (副交換神経系)」が活発に働いて、心が安らかになる。
5.Check in with doctors:専門医の診断を
それでも、あるいは何をやっても効果がなく、「心が押しつぶされるような気分(feeling overehelmed)」や「パニック発作 (panic attcks)」に陥ることがあるようなら、一度、専門医の診断を受けた方が良い。
6.travelling avoiding rush hour:ラッシュアワーを避ける
上司に相談し、テレワークを認めてもらう。あるいは少なくともラッシュアワー通勤を避けた勤務時間に変更するのも解決策の一つ。
7.Plus:(筆者の)蛇足
精神衛生に悪い、嫌な電車・バスは、きっぱりやめて、マイカーあるいは自転車 (バイク)通勤に変更する。
おわりに:マイカー・バイク通勤にすると、事故や煽り運転などのトラブルに巻き込まれる恐れがある。電車・バスを利用すると、マナーの悪い乗客に悩まされる。いやはや、「わがまま」、「オレサマ主義」が横行するとんでもない社会になったものだ。
(写真は添付のRTE Newsから引用)