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Englandの河川:その84%が水質基準を超える汚染水! (BBC-Sci & Env, September 17, 2020)

Tyne

 日本は、山地が多く、雨に恵まれているせいか、沢を流れる「せせらぎ (streams)」の水が美味しい。その辺の自販機で販売されている、妙な味付けをし、色付けしたジュースよりも、はるかに旨(うま)い。

 

 ところが、Englandの川、湖、せせらぎ(streams)と来たら、どれもみな有害化学物質に汚染されている。

 これまで政府が掲げてきた目標は、2017年までに「100%きれいな水を」国民に届けることだった。しかし、このままでは、それも夢物語で終わりそうな気配になって来た。

 当局が全国の河川や湖の水質調査を実施し、その結果をはじめて公表したのは2016年。その時点で、「水質良好」と判定されたのは、サンプリングのわずか16%だった。

 UK環境庁によると、それでも、1990年代に比べると、Englandの河川の水質は格段に改善しているという。数十年前は、(法規制があっても)水処理場 (water treatment works)が頻繁に汚水 (foul water)を川に流していたのだ。

 

 2016年以降、河川の水質汚染レベルは、それほど悪くもなっていないが、政府が約束したような値に良くもなっていない、すなわち変わっていないのだ。環境庁 Emma Howard Boyd長官は、このことを認め、現時点で、野生動物や植物に安全とされる基準を満たす Englandの河川は、わずかに16%と述べる。(なぜか、人間を対象にした数値は示されていない。)

 一方、UKの環境相 Ms Rebecca Powは、この結果を知って、直ちに有害化学物質の河川投棄を規制するとともに、農家や工場から排出される環境汚染物質の状況を明らかにすべきだと主張。できるだけ早く、少なくとも自然界の水の 3/4は、汚れのない元の状態に戻すべきだととも。

 しかし。「Salmon and Trout Conservation (サケ・マス保護団体)」の Dr Janina Grayは、これまでの、水質改善に対する政府の取組み方を非難する。

「やる気に欠け、資金に欠け、水質モニタリング予算を大幅にカットしたのは政府だ。」

 

  また、全国の水道会社を代表する「Water UK」は、河川の水質を悪化させた張本人は農家だと言い切る。

 

 これに対して、農民組合「NFU」は反論する。農家こそ、この数十年間、有害化学物質の削減に努力してきたではないか。化学肥料の使用を大幅に減らして、河川の汚染防止に貢献してきたのは農家だ、と主張する。

 

おわりに:誰もが、互いに責任をなすり合っていては、問題の解決にならない。水質汚染規制には、大きな抜け穴がある。有害化学物質を河川等に放出する際に、「許容濃度を守るなら、罪に問わない」というルールだ。これでは、どんな有害物質も「大量の水で希釈して、川に流すと問題なし」となる。世界中の工場が、この手で、想像を絶する量のシアン化合物、カドミ化合物、有機リン化合物などの有害物質を「闇に紛れて」川や湖に流した。その結果、なんの罪もない多くの人がイタイイタイ病水俣病などで苦しみながら死んで行った。決して、忘れてはいけないことだ。 

           (写真は添付のBBC Newsから引用)

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