ロシアの超音速爆撃機Tu-160がUKに接近:まさか、ノビチョク? (BBC-News, September 15, 2020)
9月14日(月)のことだ。ScotlandのLeuchars (ロイチャーズ)空軍基地に、突然、緊張が走った。レーダーが、ロシアの「Tu-160 Blackjacks (可変翼超音速爆撃機)」2機が Scotlandの公海上空に近づいたことを捉えたのだ。
ただちに、「quick reaction alarms (緊急対応警報)」が発せられ、NATO軍の主力戦闘機「RAF Typhoon (タイフーン)」が轟音(ごうおん)を上げて飛び立った。
実は、その2日前の 9月12日(土)にも、ロシアの Tupolev Tu-142 (長距離対潜哨戒機)」がUK管制圏内に侵入していた。
ロシア空軍機はUKの航空管制に従うはずがない。ときに、ロシアの偵察機が長さ約8kmに及ぶ情報収集用コードを上空にひいて管制圏内に侵入するため、民間航空機の飛行にとって危険極まりない。
14日にUK上空を脅かしたブラックジャック Tu-160は、Britain島の沿岸に沿って南下し、その後、進路を北に変えて飛び去ったという。
このところ、ベラルーシのルカシェンコ独裁体制が引き起こした政情不安、ウクライナの抵抗、ロシア野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に対するノビチョク暗殺未遂事件などで、西側とロシアの仲は冷え切っている。ロシアは、最新型の武器を見せつけ、西側を「恫喝(どうかつ)」しているのだろうか。
なにやら、きな臭くなってきた。まさか、超音速爆撃機 Tu-160に神経ガス「ノビチョク(Nobichok)」を積んで、UKの善良な市民を襲うとは考えにくい。
しかし、シリアでは某国の空軍機が空対地ミサイル、神経ガス爆弾、タル爆弾を病院・学校、市場(いちば)や街に落とし、大勢の、ほとんど無抵抗の市民を殺戮(さつりく)した。それもこれも、つい、この間のことだ。
なお、「ユーロファイターTyphoon」は、UK, Germany, Italy, Spainの4ヶ国が共同開発した戦闘機だ。開発コストを含めると 1機約170億円。これまで570機が製造され、NATO上空の守りについている。
おわりに:人間は何に怯えているのだろう。「ビクビクしながら相手の様子をうかがう」、あるいは、「ここもあそこも俺の領地・領海だ、土地だ、島だ」と言い張る。良識、学識、分別に良心のある人間のすることとは、とても思われない。なんとも理解しがたいのが人間だ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)