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あれが火星のオーロラ:火星の上空に薄っすらと緑色に輝く! (BBC-Sci & Env, June 15, 2020)

Night glow on Earth

 北半球でオーロラ (aurora)を見るためには、決死の覚悟で、高緯度の Scotlandか Canadaに出かける必要がある。夜空いっぱいに揺らめく光のカーテンは、さぞかし、すばらしい眺めに違いない。 

 さて、大気中の酸素分子が、太陽から放出される荷電粒子によって励起(れいき)されると、青色に発光する。これがオーロラだ。ただし、地球の強い磁場を受けて、荷電粒子は地球の両極に集中する。このため、地球上で観測されるオーロラは高緯度の北極圏と南極圏に限られるのだ。

 しかし、宇宙ステーションからは、地球をすっぽり覆う「green glow (緑色の輝き)」として、見えることもあるという。

 その特殊なオーロラが火星でも確認された。

 2014年、欧州宇宙機関とロシアのロマスコス社との共同プロジェクトの一環として、バイコヌール宇宙基地から火星に向けて打ち上げられた「The Trace Gas Orbiter (トレース・ガス・オービターTGO)」。

 火星の大気層に関する詳細な情報を集めて、今後の火星探査に役立てることが目的だった。

Artwork: Mars glow

                                                  (イメージ画)

そのTGOに搭載された分光器の測定データを解析した結果、火星には、宇宙飛行士の見たような特殊なオーロラが存在することが判明した。

 けれども、火星には酸素O2があるのか。

 もちろん、火星の大気組成の約95%はCO2だ。どうやら、太陽光が、そのCO2を崩壊させ、そのときの遊離酸素が、太陽からの荷電粒子を受けて励起され、発光していると考えられるという。

 それは、火星の地上から80km-120kmの上空で、とくに強く輝いていることが分かった。 

 残念ながら、TGOにはカメラが搭載されていない。火星のオーロラの映像写真は、次回の探査機に委ねられそうだ。        

                         (写真は添付のBBC Newsから引用)

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