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オタマジャクシはカエルの子:でも、どのカエルの子? (BBC-Sci & Env, September 3, 2020)

Maoson horned frog adult

 日本の春の風景から「田んぼで啼くカエルのコーラス」を除いたら、つまらない風景になってしまう。あのカエルの啼き声。聴く人、あるいはそのときの心情によっては、喜びの歌にも、悲しみの歌にも聞こえるから不思議だ。

 どこか憎めない、愛嬌のある顔をしていながら、窓辺や木の葉・枝の上にあって、害虫をペロリ、パクリと食べてくれる、ありがたい人間の味方だ。

 

 芭蕉の一句「古池や........」で、カエル(カワズ)が世界的に知れ渡ったが、ヨーロッパの子どもたちには、グリム童話の第一話「カエルの王様(または鉄のハインリヒ)」で、カエルの話が身近になった。

 

 ある日、お城の庭でお姫さんが遊んでいて、大事な毬(まり)を井戸の中に落としてしまう。これを拾って返したのがカエルだった。ただし、そのときの約束で、夜になると、カエルはお姫さんのベッドの中に入り込もうとする。お姫さんは、ヌルヌルして気持ちの悪いカエルの強情さに怒って、これを掴むと壁に叩きつける。すると、その瞬間、カエルに掛けられていた呪いの魔法がとけて、そこには身なりの良い王子が立っていたと言う話だ。

 

 日本でもヨーロッパでも、カエルは、どこにでもいる生き物だった。しかし、近年、そのカエルの仲間「amphibians (両生類)」が絶滅の危機にさらされている。

 主な原因は、

 

habitat loss:棲息地の喪失

・wildlife trade:野生生物の取引

・climate change:気候変動

・deadly diseases:致死的な感染病

 

 とくに、カエルツボカビは、両生類501種(全既知種の6.5%)を絶滅の危機に追いやった。

 

 ところが、絶滅に瀕したカエルを保護しようにも、カエルは動き回る。地下にもぐったり、樹上に隠れたりで、保護活動は困難を極めた。さらに、「オタマジャクシ(tadpoles)」のうちは、どの種(しゅ)のカエルの子なのか区別がつかない。

Giant horned frog tadpoles

 そこで「International conservation charity (国際自然保護団体) ZSLの Dr Benjamin Tapleyらの研究チームは、カエル・ガマの種類が250種と多様ながら、近年、急速に個体数を減らしているVietnamに調査に入った。

 そして、オタマジャクシについて

 

・地理学的データ

・形態写真

・計測データ

・DNA解析

を集め、親カエルのDNAと比較する作業を進めた。

Jingdong horned frog adult

 その結果、絶滅に危機に瀕している「Asian horned frogs (アジア ツノカエル)」には 6種類が生存していることを発見し、そのオタマジャクシを特定することにも成功した。

 「Asian horned frogs」は別名「コノハガエル」とも呼ばれ、忍者のように、周囲の景色に合わせた「木の葉隠れのカモフラージュ術」で身を隠しているカエルだ。

 

おわりに:地球上から森や林の他に、池、沼、湿地、貯水池が、どんどん消えた。それでも、なんとか、カエルが生き延びていられるのは、水田があるからだろう。しかし、その水田に除草剤、殺虫剤が大量にまかれ、用水路がコンクリートに固められては、さすがのカエルも辛かろう、寂しかろう。

        (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com