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バイソンを森に放せ!:─自然が自然を取り戻すために─  (BBC-News, July 10, 2020)

Bison

 England南東部Kent (ケント州)の Canterbury (カンタベリー)に近い森「Blean Woods (ブリーン・ウッズ)」に、「European bisons (ヨーロッパ・バイソン)」が放たれることになった。

 このバイソンは、今から約10万年前、England一帯を歩き回っていた「Steppe bisons (ステップ・バイソン)に近い品種と言われている。

 バイソンをEnglandの自然に放つプロジェクトは、「Kent Wildlife Trust」と「Wildlife Trust」によって進められ、2022年の導入に向けて、現在は、森の敷地約500ヘクタールの周辺に張りめぐらす柵づくりに余念がない。

The woodland near Canterbury

 では、なぜ、バイソンをEnglandの森に放すのか。それは、

 

”A wilder, nature-based solution is the right one to tackling the climate and nature crises we now face.”

[ 人類が直面している気候の危機、自然の危機を打開するための本道は、(地球に)野生と自然を取り戻すことにある。]

 

ためだ。

Ancient steppe bison once roamed Britain

 バイソンが森の中を駆け巡ると、森に活力が生まれ、生態系が息を吹き返す。

ときに、樹々に体を擦りつけて、樹々を倒したかと思うと、地面に寝転んで「砂浴び (dust bathing)」を始める。そんなバイソンの生き様によって、密集した樹々が適度に間引きされて日当たりが良くなる。すると、「cow wheat (ママコナ属)」などの植物が生え、これに惹かれて蝶がやって来る。

 バイソンが砂浴びで荒した大地はむき出しとなり、そこはトカゲや自然のバランスに役立つ「arable weeds (耕地雑草)の住処となる。 

 また、バイソンが樹の皮を剥ぎ取って食べると、その樹は立ち枯れ、そこは「fungi (キノコ類)」や「stag beetles (クワガタ)」にとっては、好都合の場所となる。

おわりに:バイソンは、peaceful (戦いを好まない)。ただ、森を駆け、森の全てに活力を与えるという。そんなバイソンを「政治の森」にも放して欲しい。

          (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com