夢ってなあに?:吉夢に悪夢、正夢・逆夢、一夢、残夢 (RTE-News, April 27, 2020)
『こんな夢をみた。』夏目漱石の「夢十夜」は、こんな書き出しで始まる。しかし、そもそも夢は、辻つまの合わない場面が連続するもの (a sequence of ilogical events)。普通の人は、一夜の間に4 − 5回の夢を見ているという。
Dr Neil Stanleyによると、その夢が
・odd and bizarre:奇妙奇天烈
・frighting:怖い
・emotionally charged:衝撃的
であれば、夢のあらすじを鮮明に思い出すことができる。反対に、どうでも良いような平凡な夢は、目が覚めると同時に記憶から薄れ、やがて忘れてしまう。
そうは言っても、ストレスや心配ごとの多い生活を送っていると、夜中に何度も悪夢にうなされ、そのつど、目が醒めてしまうもの。ただし、夢の中で、常に「過去に遭遇した精神的苦痛に追い回され (これは PTSDの兆候) ていない限り、とくに心配することはないそうだ。
また、夢をたくさん見る人は、十分に睡眠がとれていない証拠。起きたときに、いつも夢を鮮明に覚えていたり、夢を見て疲れを感じるときは要注意。
ぐっすり眠ると、夢はほとんど見ないもの。熟睡し、気持ちのいい朝を迎えるためには、睡眠時間を、体の「circadian rhythm (概日リズム)」に一致させることが大切だ。
さて、夢を見るのは眠りについて約90分後の「レム睡眠 (Rapid Eye Movement)」と呼ばれる時間帯。その後、約90分おきに、朝までこのレム睡眠が繰り返される。このレム睡眠では、脳神経が眠ることはない。日中と同じように働いて、これまで経験したことや、頭に浮かんだことを、次々に勝手な映像に組み立てる。
悪夢から逃れる、あるいは変な夢など見ないで、快眠をとるためには、就寝前に「心穏やか」にすること。TV、パソコン・スマホは避け、家族間でストレスを感じる話題も避けた方が良い。
なお、心配ごとがあって、ベッドに入っても30分以上眠れなかったり、夜中に目が醒めて20分以上眠れないときは、一度、ベッドから抜け出す。そして、居間で音楽を聞いたり、好きな本をよんで、リラックスすることだ。眠りは自然にやってくる。
なお、「夢」に興味のある方には、次の本の一読を勧める。
・内山 真:睡眠のはなし、中央新書、2014
(写真は添付のRTE Newsから引用)