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海洋プラスチックゴミ:銀河系の星の数をはるかにしのぐゴミ! (BBC-News, Mar 9, 2023)

Plastic in ocean

 想像を絶する この広い宇宙空間に、「銀河系 (The Galaxy)」が浮かぶ。それは直径約10万光年の渦巻き星雲だ。その星の集団の中で、太陽のように核融反応を起こして光り輝く恒星 (stars)の数は数千臆 (1- 5× 10の11乗)。「星の数ほど」とは、数え切れないほど多いことのたとえだ。

 

 しかし、その「数え切れないほどの数」に驚くのは、まだ早い。

 太陽系第3惑星「地球」の海を汚すプラスチックゴミ (plastics)の数は171兆個 (171× 10の12乗)だった。銀河系の星の数の1,000倍以上ということになる。

 

 これは、NPO「The 5 Gyres Institute (ファイブ・ジャイルズ研究所)」の Dr Marcus Eriksenらが、1979- 2019年にかけて海洋汚染の実態を調査し、その結果科学雑誌「PLOS ONE」に発表した内容の一部。

 

 さて、1980年代に国際海洋法条約が採択されると、漁船・船舶用具(プラスチック)の海洋投棄が禁止され、海洋汚染防止の機運も一時的に高まる。けれども、2000年代に入ると、プラスチックの海洋汚染はさらにひどくなり、そのゴミは増加の一途をたどった。

Chart showing increase in mass of plastics in oceans

 2005年に記録したプラスチックゴミの数は16兆個。それが2019年に171兆個に跳ね上がり、このまま何も手を打たずに放置すると、2040年には、ゴミの数がさらに 3倍に膨れ上がると推定されている。

 

 ペットボトルに、パッケージ、プラスチック漁具などが紫外線を浴びたり、物理的な力を受けて破砕・分解し、多数の微細な破片に変わってゆく。海洋生物が、これをエサと間違えて飲み込んでしまうと、プラスチックは胃の中で消化されないため、その生物は餓死に追い込まれる。

 

 なお、マイクロプラスチックは人間の飲料水に紛れ込み、さらに、近年、人間の肺、血管、胎盤 (placenta)の組織にまで侵入していることが確認されている。ところが、この人体組織に取り込まれたプラスチックが、どのような健康被害を及ぼすのかについて、まだ十分に解明されていないのが現状だ。

 

 一方、この3月4日(土)、NYの国連本部にて「The Intergovernmental Conference on Marine Biodviersity of Areas Beyond National Jurisdiction (国家管轄圏外区域における海洋生物多様性に関する政府間会議) [通称 BBNJ] 」が開催され、世界の海の30%をプラスチック汚染から守る案が採択された。

 

 しかし、Dr Eriksonによると、プラスチックゴミを拾い集めたり、プラスチックのリサイクルを推奨するだけでは、不十分。その海洋汚染を止めるためには、プラスチックそのものの生産を減らし、使用を制限する必要がある。

 そうでもしない限り、やがて、海はゴミで埋め尽くされてしまうだけだろう。

Map showing concentrations of microplastics in the oceans, with ther Mediterranean Sea, the Yellow sea and the Pacific Ocean highlighted as having particularly high concentrations

おわりに:海中も海岸もプラスチックゴミでいっぱいだ。もちろん、標高の高い山々に林や川にも、そして街角・道ばたにも、プラスチックゴミが多数散乱する。むしろ、地球上でゴミのない場所を探すのが大変なくらいだ。

 ここに至っても、人類は、まだ、そのゴミの恐ろしさに気づかず、まるで気が狂ったようにプラスチック製品を大量に作り続ける。自然(nature)、平和(peace)、謙虚(humility)の大切さを忘れたヒト属 (Homo)は、完全に気が変になってしまったようだ。 

          (写真は添付のBBC-Newsから引用)

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日暮れの早い冬:体内時計と睡眠パターンが変わる! (RTE-News, Feb 17, 2023)

The analysis of people undergoing sleep studies found that people get more REM (rapid eye movement) sleep in the winter

 野山の草花は秋に枯れて、春に芽を出し、森のチップマックやクマも晩秋に冬眠(hibernation)に入り、春になると再び地上に姿を現わす。

 なにしろ、冬は気温が下がって生息環境が極端に悪化する。地上の生物は、なんとか、厳しい冬を切り抜けようと進化してきた。

 

 しかし、例外がある。それが「human (人類)」だった。

 「Charité -Uuniversitätsmedizin Berlin (シャリテー・ベルリン医科大学)」の Dr Dieter Kunzによると、人類がその進化の中で成し遂げたもっとも重要なことは、四季の変化にほとんど左右されず、一年を通して行動できることだった。

 

 ところが、実は、それは表面上のことであって、人類の睡眠パターンは「四季の変化(seasonability)」に大きく影響されていることがわかった。

 Dr Kunzらの研究グループが「St Hedwig Hospital」において睡眠障害を抱える被験者292人に対して「polysomnographies (ポリソムノグラフィー)」検査を実施し、

 

・目覚ましなしで睡眠が普通にとれているか

・睡眠の質

・睡眠パターン

・睡眠時間

などのデータを分析して得た結果だ。(研究の詳細は医学雑誌「The Frontiers in Neuroscience」に発表。)

 

 なお、被験者のうち、睡眠治療を受けている患者、テクニカル・エラー、まどろみなしで眠りに入る患者などのデータは、分析から外したため、結局、研究対象者数は188人であった。

 

 さて、一般に、睡眠は、3種の Non-REM (ノンレム睡眠)を含む、次の「four stages」をたどる。

 

・awake sleep:まどろみ (うとうと)期

・light sleep:軽睡眠期

・deep sleep:深睡眠期

・REM sleep:レム睡眠

 

 睡眠障害を抱える被験者各人の症状には、明確な「seanonal pattern (季節変動性)」が認められなかったが、不眠症 (insomnia)に限ると、年末が近づくにつれてその症状が顕著になった。

 

 さらに、Dr Kunzらの研究によると、冬になって太陽の光が弱くなると、睡眠時間は夏に比べて約1時間伸びる傾向にあった。また、同時に、「circadian clock (概日時計)が影響を受け、これと密接な関係にある「REM sleep (レム睡眠)」が 30分長くなることもわかったという。レム睡眠は、脳が活発に働くときだ。この睡眠中に人は夢をみているとされる。

 今回の被験者のように都会に住んでいると、冬、日暮れが早くなったからといっても、夜の街は人工照明によって赤々と照らされるため、夏と冬に受ける日の光の変化は小さいと考えられる。しかし、実際には、季節によって異なる、そのほんのわずかな光の変化が、人間の睡眠に大きな影響を及ぼしていたことになる。

 

 したがって、人間は、季節変化に眠り方や生活スタイルを合わせることが理想的だ。社会は、学校、職場のタイムスケジュールに「seasonaity (季節変動性) 」を考慮することが必要であると、Dr Kunzは訴える。

 

おわりに:病院ではぐっすり眠れない人に睡眠薬、うつの人に抗うつ薬、高血圧の人には降圧薬。そしてストレスを感じる人にもすぐに精神安定剤が処方される。しかし、もう、そろそろ、医療のあり方を真剣に考えるときだ。病気の原因の解明と予防に力を入れ、みんなが健康で生活するためには、社会のシステムそのものを自然のリズムに合うように変える必要がある。Dr Kunzの意見に賛成だ。

    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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ねる子は育つ、寝れない大人は病弱:よく寝る大人は丈夫で長生き (RTE-News, Feb 24, 2023)

The findings indicate simply getting enough sleep is not good enough, and that the quality of sleep has an important role to play, researchers say.

 健康で、丈夫なからださえあれば、薬も医者もいらない。そのためには、きちんと食べて、骨身を惜しまず体を動かして、よく眠ることだ。

 

 さて、USは「Beth Israel Deaconess Medical Centre (ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター)」の Dr Frank Qianらの研究グループは、2013- 2018年の 5年間にわたって実施された「The National Health Interview Survey (国民健康聞取り調査)」の中で、とくに「Sleep and sleep habit (睡眠と睡眠習慣)」に関するデータ (172,321人分)に注目し、これを詳しく分析した。

 

 調査対象者の平均年齢は50歳、男女の比率は 46:54であり、各人は平均 4.3年にわたって追跡調査を受けた。その 5年間の調査期間中に死亡した被験者は 8.681人だった。

 これを死亡原因別にみると

 

・cardiovascular disease (心血管疾患)       :2,610 (30%)

・cancer (ガン)                        :2.052 (24%)

・other causes (事故、感染症神経変性疾患など):4.019 (46%)

 

 なお、健康調査の一つに「good sleep (熟睡)」項目があったが、熟睡の程度は次の 5つの内容で評価することにした。

 

□ ideal sleep duration of seven to eight hours a night

    (理想的な睡眠時間 (7- 8h)を確保)

□ difficulty falling asleep no more than two times a week

      (ベッドに入ってすぐ眠つけないことは週に 2回以下)

□ trouble staying asleep no more than two times a week

      (夜中に目が覚めて眠れないことは週に 2回以下)

□ not using any sleep medication

      (いかなる睡眠薬も使っていない)

□ feeling well rested after waking up at least five days a week

      (朝、目が覚めて、すっかり疲れがとれたと感じる日が週に 5日以上)

 

上記の欄のどれか一つにチェックできたときの「熟睡の評価」は 1点で、5つ全ての欄にチェックできたなら 5点となる。

 

 この評価基準に基づいて、被験者の「good sleep (熟睡)」の習慣を分析した結果、評価5の人は、評価 0- 1の人に比べて、以下のような違いがあった。

1.less likely to die (死亡する確率)

・−30%:死亡原因にかかわらず

・−21%:心血管疾患が原因

・−19%:ガンが原因

・−40%:その他(事故、感染症、神経変性症疾患 [認知症パーキンソン病など] )

2.life expectancy (寿命の伸び率)

・4.7 年:男性

・2.4 年;女性

 

ただし、寿命の伸び率に、なぜ、男女間に約2倍の差があるのかについては不明。

 

 もちろん、この熟睡と健康に関する研究は、被験者が自己申告したデータに基づくものであり、実証データに基づく統計的な解析ではない点に、注意を払う必要がある。

おわりに:それにしても、よく寝る人と、よく寝れない人では、病気で死亡する確率があまりにも大きく違う。もし、これが本当であるとすれば、研究者には「なぜ」を追求し、そのメカニズムを明らかにしてもらいたい。

           (写真は添付のRTE Newsから引用)

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大西洋の荒波を漂って死にかけたベビー亀:優しい Irishが救助! (RTE-News, Feb 23, 2023)

'Cróga' is recovering at Dingle Oceanworld (Pic: Dingle Oceanworld)

 この時期、いかに勇者と言えど、冷たい大西洋を泳いで渡り切るのは大変なことだ。しかし、ヘトヘトに疲れながらも、それをやってのけた者がいる。その名は「loggerhead turtle」。

 

 今年の2月中旬のある日のことだ。Mayo (メイヨー)に住む Mr Cormac de Rosta (コーマック・ドゥ・ロスタ)は、二人の娘をつれて Ireland北西端の「Belmullet Peninsula (ベルマレット半島)の浜辺を散歩していた。

 すると、3人は、疲労困憊(ひろうこんぱい)で衰弱し、仰向けになって海岸に打ち上げられている小さなウミガメの赤ちゃんを発見した。大きさは手のひらに乗るくらい。それは絶滅危惧種IB類に指定されている「loggerhead turtle (アカウミガメ)」だった。

 

 弱りきって死にかけたベビーは、すぐに、水族館「Digle Oceanworld (ディングル・オーシャンワールド)」に引き渡された。

 そして、さっそく、この小さな生き物に、Irishの「Cróga (クローガ)」との名がつけられた。英語の「brave (勇敢なやつ)」という意味だ。

 

 海洋生物の保護活動に関して経験豊富なこの水族館は「salin solution (生理食塩水)」を与えて、元気が回復するのを待った。おかげて、この10日ばかりの間に体重が順調に増えて、今では255gになったという。

 今後、さらに数ヶ月間、「Digle Oceanworld」で面倒をみることにし、十分に力が付いた段階で、カナリア諸島の暖かな海に放してやる予定とか。

 なお、この「loggerhead turtle (アカウミガメ)」は、通常、「the Gulf of Mexico (メキシコ湾)」内のフロリダなどの砂浜で孵化し、その後、数年間マイアミ沖の「the Sargasso Sea (サルガッソ海)」で過ごす。そして、海流に乗って「the Canaries (カナリア諸島)」に向かう。

 しかし、ときに海が荒れると大西洋を北上し、冷たい海域に流されることもあるという。

 

 この種の成長したウミガメは、頑丈な甲羅に身を固め、体重100kgを超えるものも少なくない。けれども、小さな赤ちゃんのときは危険がいっぱいだ。カモメなどの海鳥のハンティングのまとになり、サメの餌食にもなる。運よく、それらの敵から逃れたとしても、冷たい海で「cold shock」で死んでしまうことが多い。

 

 水族館館長 Mr Kevin Flanneryによると、今回、「Cróga (クローガ)」が FloridaからIrelandにたどり着いたのは、「an absolute miracle (まったくの奇跡)」。

 さて、数年前のことだが、「The Irish naval Services (アイルランド海軍)」の船が、「humanitarian missions (人道支援ミッション)」を帯びて「Mediterranean (地中海)」に向けて航行中、冷たい海の中を漂流している多数のウミガメを発見。ただちに、ウミガメを救助し、カナリア諸島の暖かい海域まで運んでやったそうだ。

 

 また、2019年には「Storm Lorenzo (ストーム・ロレンツォ)」が襲って海が荒れ、Irelandの「Galway (ゴールウェイ)」の海岸に、体重 4kgの「loggerhead turtle」が打ち上げられたことがあった。

 このときも、弱ったウミガメは、「Dingle Oceanworld」のスタッフによって、体調が回復するまで飼育された。さらに、その後、Cork Airport (コーク空港)からカナリア諸島へ空輸されて、暖かい海域に放たれた。なんとも「心温まるエピソード」だ。

 

おわりに:情け容赦なく全てを焼き払い、ヒトの住居・生活を破壊し、ヒトの物を盗んで、ヒトを殺す。地獄絵に描かれた「地獄の鬼」さながらに、見るに聞くに耐えない残虐非道の限りを尽くす「The Russian(ロシアの民)」。その語源は「róðr [rowing] (櫓を漕ぐ)」あるいは「Róðsmenn [seafarers] (船乗り)」にあるとも、その地に定住した北欧ヴァイキングの首領の名「Rus」にあるとも言われる。生きるものの生命を尊び、平和を愛した文豪トルストイ、作曲家チャイコフスキーは、どんな思いで北の大地に眠るだろう。

      (写真は添付のRTE Newsから引用)

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超加工食品(UPF)の食べすぎで:ガンのリスク、死亡率が急増! (RTE-News, Feb 2, 2023)

A new study suggests ultra-processed foods lead to higher rates of cancer. By Lisa Salmon.

 比較的安価で、調理せずにすぐに食べられるため、市場に大量に出回っている食品がある。ハム・ソーセージにベーコン・サラミだ。日本では贈答品として人気の高い商品でもある。その肉の加工食品に、ペプシ・コーラ、ポテトチップス、ドーナッツ、カップヌードル、ホットドッグ、菓子パンなどを加えたグループは「ulrtra-processed foods( 超加工食品 UPF)」と呼ばれる。

 

 一般に、その多くは栄養価が乏しく、塩分、糖分、脂肪、人工添加物の含有量が高い「mass-produced foods (大量生産食品)」。

 ところが、平均的なイギリス人は、一日に必要なエネルギーの 50%以上を UPFからまかなっている。しかし、超加工食品 UPFは人体に危険だ。これを食べすぎると

 

・obesiy:肥満

・type-2 diabetes:2型糖尿病

・cardiovascular disease:心血管疾患

 

の発症リスクが高まることは、医学的によく知られた事実。

 

 さて、「Imperial College London」大学の Dr Eszter Vamosらの研究チームは、「Cancer Research UK (英国王立ガン研究基金)」、「The World Cancer Research Fund (世界ガン研究基金)」の支援のもとに「UK Biobank data」を活用し、イギリス在住の197,000人を超える研究対象者の「食生活」について精査した。

 その結果、以下のことがわかったという。

 

・ UPFを食べすぎると、全てのガンの発症リスクが高まる。

・ とくに「ovarian cancer (卵巣ガン)」、「brain cancer (脳腫瘍)」のリスク増。

・ ガンの死亡リスクが増し、とくに卵巣ガン、乳ガンの死亡率が高くなる。

・ 日常の食生活において、超加工食品 UPFの摂取量が 10%増えるごとに、ガンの発症リスクが 2%増加し、とくに「ovarian cancer (卵巣ガン)」に関しては 19%も上昇する。

 

 ただし、Dr Vamosらの研究は「observational study (観察研究)」であり、食品UPFとガンとの「causation (因果関係)」(つまり、原因が結果を引き起こすメカニズム)の解明までには至っていない。

 たとえ、そうであっても、日常の食生活の中で、超加工食品を減らすと、ガンの発症リスクが減ることは確かであり、このことは、他の研究によっても裏づけられている。

 なお、栄養コンサルタントの Ms Ursula Arensが、健康的な食品の「general rule of thum (おおよその判断基準)」として掲げるのは

 

・Have less foods that are high in fat, high in salt and white flour.

・Go for wholemeal flour, wholegrain cereals and fruits and veg.

・Put a bit more time into preparing foods.

・Choosing fresh ingredients.

 

・脂肪・塩分の多い食品や精白粉パンは避ける

・全粒粉パン、全粒粉シリアル、フルーツ・野菜を摂る

・料理にひと手間をかける

・新鮮な食材を選ぶ

 

 そして、次のような超加工食品UPFに関しては、その代用食品に交換 (swap)することを勧める。

 

1.SWAP: Sugary cereals for wholegrain unsweetened high-fibre cereals

 甘ったるいシリアルはやめること。シリアル・ボックスの成分表をよく確かめて、糖分が少なく、繊維質の多いものを選ぶ。

 

2.SWP: Sugary canned drinks for tea or diluted fresh juice

  ソフトドリンク(缶)に代えて紅茶、ハーブティーあるいは希釈したフレッシュ・ジュースを選ぶ。「ただの水 (plain old water)」の方がよっぽどまし。

 

3.SWAP: Sliced white wrapped bread for wholegrain crispbread or oatcakes

 スーパーで袋詰されて販売されているスライス済み精白パンは避けて、全粒粉パンを選ぶ。または全粒粉を使ってクラッカー(クリスプ・ブレッド)やオート・ケーキを手づくりする。

4.SWAP: Crisps for unsalted nuts, seed or fruit

 ポテトチップス(crisps)は塩分が高いもの。塩分を摂りすぎると

・upper respiratory tract cancers:上気道ガン

・high blood pressure:高血圧

を招きかねない。(とくに肥満の人は要注意。)なお、日干し乾燥させて塩分の多い魚肉を食べる中国人の間に

・oesophageal cancers:食道ガン

・throat cancers:咽頭ガン

のリスクが高いことが知られている。

 だから、ポテトチップスには手を出さないほうが賢明。むしろ、カロリー・栄養源として優れたナッツ類を口にすることだ。

 

5.SWAP: SAusages, bacon or ham for humous, egg or cheese

 ハム・ソーセージ、ベーコン・サラミなどの加工肉は、WHOによってガンの発症リスクの高い「group 1」の「Carcinogenic to humans (人に対して発ガン性がある)」(その十分な根拠がある) に分類される食品だ。とくに「大腸ガン (cdolon cancer)」の発症リスクが高いとされる。

 

ただし、月一回程度、ベーコンを食べてもほとんど問題なし。けれども、ハム・ソーセージが大好きだからといって、毎日、ハムサンドイッチを食べていては、ガンが忍び寄るのは避けられない。

 

 なお、ドイツ公共放送 ZDFによると、ドイツ政府は、「砂糖、塩、油を多く含む不健康な食品(菓子類など)の広告」については、これまで(関連業界に対して)自主的な規制を求めてきたが、まったく機能していないことが判明。このため、「学校・保育園、遊び場の周辺100m以内に、子どもをターゲットに売り込もうとする不健康な食品の広告を禁止する議案」が提出され、これが採決される見通しであると伝えている。(NHK BS1 ワールドニュース (2023.02.28,6:00))

 

おわりに:ベーコン、サラミ、ドーナッツは美味しい。一度食べたら、また食べたくなる。それもそのはず。UPFの多くは、メーカーによって「くせになるように (addictive) 」、「やめられないように」加工・販売設計されているからだ。口当たりのいい、好きなものだけを食べていると、そのツケは必ずやって来る。気がついたときは手遅れだ。からだがボロボロになっている。

                     (写真は添付のRTE Newsから引用)

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サウジの砂漠に紫の花が咲き乱れ:観光客で賑わう都市ラフハー (RTE-News, Feb 17, 2023)

Heavier than usual winter rains has resulted in sands of northern Saudi Arabia being carpeted with purple flowers

「アルホザーマ・アルバリィョ ( الخزامى البري) [ alkhuzamaa albariyu] 」とは「Arabic (アラビア語)」で「wild  lavender (野生のラベンダー)」のこと。

 さて、日頃は無味乾燥の何もない砂漠の一面が、この紫の花で覆われて話題になっている。正確な植物名は不明だが、アラブ人はこの花を「アルホザーマ・アルバリィョ」と呼ぶ。

 

  注目を浴びている場所は、イラクとの国境に近いサウジ第二の都市「Rafha (ラフハー)」周辺の砂漠。この冬は例年に比べて降雨量が多かった。サウジ西部に大洪水を引き起こすほどだった。ところが、サウジ北部の砂漠地帯にとっては恵みの雨となり、生命の復活をもたらした。

 

 砂の他に何もない殺風景な砂漠に、突然、目の覚めるように鮮やかな紫の花が、じゅうたんを敷きつめたように一斉に咲き出したのだ。

 

 この景色が人々を魅了し、「アルホザーマ・アルバリィョ」の花を一目見ようと、サブジアラビア半島の各地からたくさんの観光客が「Rafha (ラフハー)」に押し寄せている。そこで、その砂漠の地元の住民たちは、ラクダが花園に近づいて、せっかくの観光資源を食べてしまわないように注意をはらっているとか。

 

 なお、取材に当たった記者には、観光客からこんな声があったという。

 

1.Muhammad al-Mutairi (ムハマド・アルムテアリ):教師を退職した男性(50歳)

 サウジ中心部にある自宅からクルマを運転し、ほぼ 6時間をかけてたどり着いた。

それもこれも、くすんだ色の砂漠に突如として現われた珍しい花園を鑑賞するためだ。この男は、遥か遠くまで、まるで紫の海のように広がる花園を眺めて、こんなふうに語ったそうだ。

 

・.”No one expects that this scene is in Saudi Arabia.”

 [ この景色がサウジアラビアにあるなんて、だれにも想像できない。]

・”The smell and sight refreshes the soul."

 [ アルホザーマ・アルバリィョの花の匂いとその花園の光景のおかげで、心がリフレッシュする。

 

2.Nasser al-karaani(ナサ・アルカラーニ):サウジのビジネスマン(55歳)

 首都「Riyadh (リヤド)」からここまで770kmの距離を4駆でやって来た。砂漠の花の見ごろは開花後15− 20日間だ。それが過ぎたら花はしおれてしまう。そこで、この花の景色を満喫するために、ここにやって来たのだ。

 こう言って、その男はクルマからテントをおろし、友だちの助けを借りて、そのテントを張り出した。これから、みんなで火の周りに寄り添ってコーヒーを楽しむそうだ。寒いと見えて、伝統的な「thobe gown (トーブ)」の上に厚手のジャケットをはおっている。そして語ったことは

 

・" This atmosphere makes me feel at ease."

    [ この自然環境は、心に安らぎを与えてくれる。]

3.Hamza al-Mutairi(ハムザ・アルムテアリ):サウジ在住の男性(56歳)

 友人と一緒にキャンプ中の、この男は、「 recharged by the natural spectacle (このすばらしい自然のスペクタクルで心の疲れがどれた)」気分と言い、

 

・” It gives a person a new motivation for life.”

 { 見る人に、新たな生きる力を与えてくれるものだ。]

4.Abdul Rhaman al-Marri(アブドル・ラーマン・アルマリ):カタール在住

 鮮やかな紫の花をひと目みようと、隣国カタールからクルマを飛ばして来た男の言葉は、

 

・”The sight is worth" the more than 12 hour journey."

 [ この花の光景は、旅に12時間以上をかけた価値がある。]

・”It's as if you are in paradise.”

 [ まるで天国にいるみたいだ。]

 

おわりに:砂漠の生態系は貧しい。そこに突然、花園が現われた。まさに、それは自然の不思議、奇跡、驚異だったに違いない。

    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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フランスのオオヤマネコの運命:風前のともし火! (RTE-News, Feb 13, 2023)

There are at most 150 adult lynx hidden in the mountains of northeastern France

 オオヤマネコ (Eurasian lynx)の「lynx」はギリシャ語「lugx」に由来し、光 (light)と鋭い眼光を意味する。その母音を含まない動物名も珍しい。

 このネコ科の獰猛な大型肉食動物は、かって、ユーラシア大陸一帯の森に生息し、シベリアにチベット高原、それどころか 5,500m級のヒマラヤ山脈にさえナワバリをもっていた。

 

 この「ヤマネコ (wild cats)」は主に夜行性で、日中はめったに姿を見せない習性がある。このため、正確な生息個体数の確認が困難な動物種でもある。しかし、ヨーロッパでは「lynx」の個体数が減少の一途をたどり、フランスでも、20世紀の始めに絶滅してしまった。

 

 けれども、「lynx」は、生態ピラミッドの頂点に立つ「apex predator (頂点捕食者)」として、長年、エコシステムのバランスの維持に寄与してきた動物だった。

 そこで、フランスでは、1970年代に、この「lynx」を自国内に再導入した。現在、フランスとスイスの国境にそびえる「Jura mountains (ジュラ山脈)」を中心に、推定 120- 150頭の「lynx」が、人目を避けるように生息している。

 

 ところが、フランスの「Centre Athenas」のスタッフ Mr Nathan Huvierらの研究チームが、2008年から2020年に至る12年間にわたって、ジュラ山脈に生息するオオヤマネコ(lynx)の「genetic diversity (遺伝的多様性)」を調査した結果、その多様性は、ヨーロッパ中央・東に広がる「Capathian Mountains (カルパ山脈)」の同種のヤマネコに比べて極端に劣っていて、環境変化に対して脆弱になっていることが明らかになったという。(研究の詳細は科学雑誌「Frontiers in Conservation Science」に発表。)

 

 なお、さらに悪いことに、スイスとの国境に広がる山脈地帯は観光スポットやハイキングコースであふれている場所だ。このため、「lynx」の生息域は道路によってズタズタに寸断された「highly fragmanted (細切れ状態)」。

 

 もちろん「poaching (密猟)」の疑いも拭い切れないが、なんといっても、ヤマネコを絶滅の危機においやっている主たる原因は「vehicles (クルマ)」だ。

 2022年に限ってみても、クルマで轢かれた「lynx」は22頭にのぼる。そして、その事故で生き残ったのは、たったの一頭だった。

 

 昨年、「lynx」の実態に懸念を抱いたフランス政府は、オオヤマネコ復活プランをを開始した。

 しかし、直ちにハンター・農民の反対抵抗にあう。かれらの主張は、「自然のおもむくままにまかせよ」とか。

おわりに:事態は深刻。Mr Huvierが警鐘を鳴らすように、すぐに他の生息地から「lynx」を再導入しないと、フランスの「lynx」は遅かれ早かれ絶滅するに違いない。しかし、自由、平等、博愛の国フランスは揺れている。パリの治安は悪くなる一方だ。今、この国で「オオヤマネコ(Eurasian lynx)」の生存の危機を憂う人はどれだけいるだろうか。憂うどころか、猟銃まで持ち出すとは.....。良心・良識、倫理、罪悪感に関して、この数万年の間、人類は、ちっとも進化しなかったのだ。

追記:ヤマネコのはなしと言えば、次の本の右に出るものはない。

宮沢賢治 作、高野玲子絵:どんぐりと山猫、1989、偕成社

    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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