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超加工食品(UPF)の食べすぎで:ガンのリスク、死亡率が急増! (RTE-News, Feb 2, 2023)

A new study suggests ultra-processed foods lead to higher rates of cancer. By Lisa Salmon.

 比較的安価で、調理せずにすぐに食べられるため、市場に大量に出回っている食品がある。ハム・ソーセージにベーコン・サラミだ。日本では贈答品として人気の高い商品でもある。その肉の加工食品に、ペプシ・コーラ、ポテトチップス、ドーナッツ、カップヌードル、ホットドッグ、菓子パンなどを加えたグループは「ulrtra-processed foods( 超加工食品 UPF)」と呼ばれる。

 

 一般に、その多くは栄養価が乏しく、塩分、糖分、脂肪、人工添加物の含有量が高い「mass-produced foods (大量生産食品)」。

 ところが、平均的なイギリス人は、一日に必要なエネルギーの 50%以上を UPFからまかなっている。しかし、超加工食品 UPFは人体に危険だ。これを食べすぎると

 

・obesiy:肥満

・type-2 diabetes:2型糖尿病

・cardiovascular disease:心血管疾患

 

の発症リスクが高まることは、医学的によく知られた事実。

 

 さて、「Imperial College London」大学の Dr Eszter Vamosらの研究チームは、「Cancer Research UK (英国王立ガン研究基金)」、「The World Cancer Research Fund (世界ガン研究基金)」の支援のもとに「UK Biobank data」を活用し、イギリス在住の197,000人を超える研究対象者の「食生活」について精査した。

 その結果、以下のことがわかったという。

 

・ UPFを食べすぎると、全てのガンの発症リスクが高まる。

・ とくに「ovarian cancer (卵巣ガン)」、「brain cancer (脳腫瘍)」のリスク増。

・ ガンの死亡リスクが増し、とくに卵巣ガン、乳ガンの死亡率が高くなる。

・ 日常の食生活において、超加工食品 UPFの摂取量が 10%増えるごとに、ガンの発症リスクが 2%増加し、とくに「ovarian cancer (卵巣ガン)」に関しては 19%も上昇する。

 

 ただし、Dr Vamosらの研究は「observational study (観察研究)」であり、食品UPFとガンとの「causation (因果関係)」(つまり、原因が結果を引き起こすメカニズム)の解明までには至っていない。

 たとえ、そうであっても、日常の食生活の中で、超加工食品を減らすと、ガンの発症リスクが減ることは確かであり、このことは、他の研究によっても裏づけられている。

 なお、栄養コンサルタントの Ms Ursula Arensが、健康的な食品の「general rule of thum (おおよその判断基準)」として掲げるのは

 

・Have less foods that are high in fat, high in salt and white flour.

・Go for wholemeal flour, wholegrain cereals and fruits and veg.

・Put a bit more time into preparing foods.

・Choosing fresh ingredients.

 

・脂肪・塩分の多い食品や精白粉パンは避ける

・全粒粉パン、全粒粉シリアル、フルーツ・野菜を摂る

・料理にひと手間をかける

・新鮮な食材を選ぶ

 

 そして、次のような超加工食品UPFに関しては、その代用食品に交換 (swap)することを勧める。

 

1.SWAP: Sugary cereals for wholegrain unsweetened high-fibre cereals

 甘ったるいシリアルはやめること。シリアル・ボックスの成分表をよく確かめて、糖分が少なく、繊維質の多いものを選ぶ。

 

2.SWP: Sugary canned drinks for tea or diluted fresh juice

  ソフトドリンク(缶)に代えて紅茶、ハーブティーあるいは希釈したフレッシュ・ジュースを選ぶ。「ただの水 (plain old water)」の方がよっぽどまし。

 

3.SWAP: Sliced white wrapped bread for wholegrain crispbread or oatcakes

 スーパーで袋詰されて販売されているスライス済み精白パンは避けて、全粒粉パンを選ぶ。または全粒粉を使ってクラッカー(クリスプ・ブレッド)やオート・ケーキを手づくりする。

4.SWAP: Crisps for unsalted nuts, seed or fruit

 ポテトチップス(crisps)は塩分が高いもの。塩分を摂りすぎると

・upper respiratory tract cancers:上気道ガン

・high blood pressure:高血圧

を招きかねない。(とくに肥満の人は要注意。)なお、日干し乾燥させて塩分の多い魚肉を食べる中国人の間に

・oesophageal cancers:食道ガン

・throat cancers:咽頭ガン

のリスクが高いことが知られている。

 だから、ポテトチップスには手を出さないほうが賢明。むしろ、カロリー・栄養源として優れたナッツ類を口にすることだ。

 

5.SWAP: SAusages, bacon or ham for humous, egg or cheese

 ハム・ソーセージ、ベーコン・サラミなどの加工肉は、WHOによってガンの発症リスクの高い「group 1」の「Carcinogenic to humans (人に対して発ガン性がある)」(その十分な根拠がある) に分類される食品だ。とくに「大腸ガン (cdolon cancer)」の発症リスクが高いとされる。

 

ただし、月一回程度、ベーコンを食べてもほとんど問題なし。けれども、ハム・ソーセージが大好きだからといって、毎日、ハムサンドイッチを食べていては、ガンが忍び寄るのは避けられない。

 

 なお、ドイツ公共放送 ZDFによると、ドイツ政府は、「砂糖、塩、油を多く含む不健康な食品(菓子類など)の広告」については、これまで(関連業界に対して)自主的な規制を求めてきたが、まったく機能していないことが判明。このため、「学校・保育園、遊び場の周辺100m以内に、子どもをターゲットに売り込もうとする不健康な食品の広告を禁止する議案」が提出され、これが採決される見通しであると伝えている。(NHK BS1 ワールドニュース (2023.02.28,6:00))

 

おわりに:ベーコン、サラミ、ドーナッツは美味しい。一度食べたら、また食べたくなる。それもそのはず。UPFの多くは、メーカーによって「くせになるように (addictive) 」、「やめられないように」加工・販売設計されているからだ。口当たりのいい、好きなものだけを食べていると、そのツケは必ずやって来る。気がついたときは手遅れだ。からだがボロボロになっている。

                     (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie