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名もなく、誰にも知られず、隠れていた!:醜いランに毒キノコ (BBC-News, Dec 18, 2020)

Gastrodia agnicellus

 「名もなき草」と言えば、それは取るに足らない、何の役に立つとも思えない、道端や庭の片隅にひっそりと生える雑草のこと。しかし、それとて、自然界の種(しゅ)の多様性 (diversity)を構成する一部であり、人間には理解できない「未知の力」を秘めているのかも知れない。

 

 地球に存在する生命体の一つが、この世から永遠に消えたなら、生命の組織空間にポッカリと穴があいて、そこから亀裂が縦横に走り、せっかく数十億年の月日を掛けてつくり上げられた豊かな自然界が、次第に崩壊していくようでならない。

 

 だから、今、地球上で生きる全ての生命体を認知して、その特徴、働き、生息環境を確認することが大切であり、絶滅の危機に瀕する種(しゅ)については、その原因を探り、適切な保護対策が講じられるべきだ。

 

 その点からすると、実は、「名もない草」と一言で片付けられなくなる。人類にとって、かけがえのない仲間であるからだ。たとえ、膨大な資金を費やして、地球から遠く遠く離れた、どこかの宇宙の小惑星で生命を発見することに成功したとしても、そんなものは、人類の仲間と呼べないはずだ。

A rakotonasoloi

 これまで誰にも知られず、地球上で密かに生き続ける、名もない生命体は、まだまだたくさんあるという。とくに新種とおぼしき植物、菌類 (fungi)が発見されると、その形態、DNAが精査される。そして、新種との判定が下ると、他の種(しゅ)と識別するために、名前(学術名)を付けなければならない。

 

 さて、「The Royal Botanic  Gardens, Kew (キュー王立植物園) 」のDr Martin Cheekによると、『2020年は、信じがたいほど、たくさんの新種が発見された年』だったという。

 Kew植物園が新種と判定した植物・菌類に限っても、156種にのぼる。その内、27種はキノコ類(菌類)だった。

 なお、UKでは、以下の場所で新種のキノコ計 6種が発見されている。全てが繁殖力の強い「Cortiariaceae (フウセンタケ科)」の「Cortinarius( フウセンタケ属)」に属する「毒キノコ (toadstool)」だった。

 

・Heathrow Airport:1種

・Devil’s Dyke:1種

・Barrow-in-Furness:1種

・Caithness:1種

・Black Wood of Rannoch:2種

 

 それらのキノコは毒キノコであっても、oak (オーク)、beech (橅)、birch (樺)、pine (松)などの木々と、調和の取れた関係にあり、キノコは水分と栄養分の吸収に重要な役割を果たしているという。

Cortinarius heatherae

 さらに驚くことは、新種の約1/3 を「orchids (ラン)」が占めたことだ。

 

・New Guinea:19種

・Madagascar:1種 (世界でもっとも醜いランと判定)

 

 また、ランの他にも、新種のスイート・ポテト、パイナップル、ブルーベリーの仲間や薬草が、それぞれペルー、ナンビア、ブラジル、ニューギニアザンビアモザンビークの国境の森などで発見されている。

Acanthostachys calcicola

 このことは、新種の植物やキノコを探すためには、なにも Amazonや Africaの奥地にまで出向くことはないことを示している。

 なお、世界全体で毎年、新種と認定される植物・菌類(キノコ類)の仲間は約2,000種に及ぶという。

Dendrobium aurifex

おわりに:ある人は夜ごと大型望遠鏡で彗星を探し、また、ある人は海に潜って珍種の魚を追いかける。さらに、プラント・ハンターと称してジャングルの草の根を掻き分け、新種の薬草やランの発見に努める人もいる。その最大の目的は、科学の歴史、教科書に自分の名前を残すことにあるとか。純粋な知の世界(科学) に、エゴや損得勘定が入ると、純粋が純粋でなくなる。

        (写真は添付のBBC Newsから引用)

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イギリスで蔓延するコロナ変異ウイルス:どれほど凄いものか! (BBC-Health, Jan 2, 2021)

Coronavirus up close

  UKで新たに発生した「variant virus(変異ウイルス)」。「Public Health England (イングランド公衆衛生局)」による識別名は「Variant of Concern 202012/01」あるいはこれを略して「VOC」。これまで以上に獰猛(どうもう)なウイルスだ。

 

 ウイルスの感染力の強さ (infectiousness)を表わす「Reproduction or R number (実効再生産数、R値)」で比較すると、従来のコロナウイルスSARS-Cov-2」の R値は 1.1 -1.3だった。それが変異ウイルスVOCの実効再生産数 R値は、1.5 −2.0に増加。すなわち、1人の感染者が、最大 2人に感染を広げてしまうほど強力になった (なぜ、感染力が強まったかのは不明)。このVOCの出現で、またたく間に UK全土にコロナ感染が広がった。

 

 なお、UKで二度目の「lockdown (都市封鎖) 」が出されたのは昨年11月。けれども、このとき、子どもたちの学校が閉鎖されることはなかった。Imperial CollegeのAxel Gandy教授らのデータ分析によると、その間に、変異ウイルスVOCが、20代、とくに中学生の子ども達を中心に広がり、その後、全世代に感染が移って行った。

 

 その結果、従来のコロナウイルスSARS-Cov-2」は、変異ウイルス「VOC」に駆逐されて、感染者数は 1/3に減少した。逆に、VOC感染者数は 3倍に膨れ上がった。

 このことは、中途半端なコロナ対策がどんなに危険なものであるかを良く示している。

 

 Warwick大学の Lawrence Young教授によると、ウイルスが生命体に侵入し、自らの遺伝子をコピーしながら増殖を繰り返す過程で、変異ウイルス (variant virus)が出現するのは、ごく普通のこと。

 したがって、コロナ感染が始まった当初から様々なタイプの変異ウイルスが発生したと考えられる。しかし、ほとんどの場合、変異してもウイルスの特質が大きく変わることはない。ごくまれに、感染力が強まったり、免疫システムに対する抵抗力が高まることがあるという。

 

 昨年の11月に確認された変異ウイルスVOCは、その 2ヶ月前の 9月に「South-East England」で発見されたウイルスと同じ種類と考えられている。

 現在、この、感染力が強まった変異ウイルスVOCは、UK全土に広まっているが、とくに、LondonとEngland南東・南部に感染者が集中している。

Record cases graphic

 Oxford大学の Jim Naismith教授は次のように訴える。

” In simpler terms, unless we do something different the new virus strain is going to continue to spread, more infections, more hospitalisations and more death.”

[ 平たく言えば、これまでとは違った(厳しい)対策を取らない限り、新たなウイルス株がさらに広がり続けて、感染者がもっと増え、入院患者がもっと増え、死亡者ももっと増える。]

 

おわりに:人命尊重か経済(損得勘定)尊重か。「命あっての物種」あるいは「経済あっての物種」か。どたんばに追い込まれたときに、なにを優先すべきか。指導者・権力者は、よくよく考えることだ。必ずや、10年後にその審判が下される。

             (写真は添付のBBC Newsから引用)

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コロナ予防・治療の「ニセ薬」:インチキ、したたかインド商法! (BBC-News, Dec 19, 2020)

Coronil and Swasari tablets

 UKでは 1日当たり約55,000人が新型コロナCovid-19に感染し、454人が死亡、累計の死亡者数は75,024人に達した (2021年1月3日現在)。ワクチン接種が始まったとは言え、Covid-19ウイルスが、猛威を振るっていることに変わりはない。世界中の誰もが、この疫病神、災難が一刻でも早く地球上から立ち去ることを願っている。

 

 こんな苦境のさなかに、まったく根も葉もない「インチキ薬 (fake medicines)」をでっち上げ、それで金儲けをたくらむなど、人間として許しがたい行為だ。

 

 UKの首都 London、それもアジア系住民が多く住む地区で、こともあろうに、コロナ感染の予防、治療に効果があるとの触れ込みで、「immunity booster (免疫強化剤)」と称する「Coronil」が不法販売された。

 売り出したのは、インドの製薬会社「Patanjali Ayurved (パタンジャリ・アイユヴェイド)」。その会社いわく、『この薬は免疫力 (immune system)を高めて、「respiratory tract infections (気道炎症)」を予防し、Covid-19の感染予防とその治癒効果が期待できる。』

 

 なお、この6月、会社の創設者の1人 Baba Ramdeyは、薬の効果を次のように主張していた。

『コロナ感染者が、我が社の治療薬「Coronil」を服用すると、その69%が 3日で完治して、(PCR検査で)陰性となり、7日も経過すると100%の患者が完治するという結果を得ている。』

 

 こんなことを無責任に言い立てる「インド人にビックリ」。医学的な治療効果を証明するためには、詳細な臨床試験結果なるものが、複数の権威ある医学雑誌に掲載され、学会から認められる必要がある。

 さらに、新薬を製造、販売するとなれば、当局の厳密な検査を受けて、正式な認可を得ることが欠かせない。人の命、健康に関わる薬の製造・販売は、厳格にも厳格を重ねて、どんなに些細なミスであっても許されないからだ。

 

 ところが、Birmingham大学の Dr Maitreyi Shivkumarらの研究チームが、このコロナ治療薬「Coronil」を調べたところ、コロナ感染の予防・治療に関しては何の医学的効果もないことが判明。「Coronil」の中身は、ただの「plant-based ingredients (植物由来成分)」だった。

 

 なお、イギリスと言えども、医薬品の原料については「The Medicines and Healthcare products Regulatory Agency (英国医薬品・医療製品規制庁 MHRA)」の承認が必要であり、「Coronil」を免疫強化剤として宣伝することも「The Advertising Standards Authority (広告基準局 ASA)」の規制対象となる

 

 当局は、BBCの告発を受けて、インド製「コロナニセ薬」の取締に動く構えだ。

 

おわりに:他人の不幸、弱みにつけこんだ悪事・悪業には2重の罪がある。法を犯した「犯罪 (crime)」と、「道徳上の罪 (sin)」だ。「藁(わら)にもすがりたい」気持ちの高齢者に、「免疫強化剤」と騙(だま)して「ニセ薬」を売りつけるなど、その悪質さは、まるで「火事場泥棒」、「オレオレ詐欺」と同じようなものではないか。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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新年の霊鳥「Robin(ロビン)」:イギリスでもっとも愛される小鳥! RTE-News, Dec 25, 2020 M516

These little cuties come into their own at Christmas.

 「robins (コマドリ: Eurithacus rubecula)」は新年の霊と考えられ、また正義を表わす鳥でもある。森中によく響く鳴き声と、庭に飛来し、その美しい姿を見せてくれるため、古くから庶民に慕われて来た小鳥だ。

 

 年が改まった2021年。最初の「article (#1516)」は、この霊鳥「robins」にまつわる「trivia (あれこれ)」。

 

1.Robins do not use the same nest more than once.

  「robins」は、一度使った巣を二度と使うことはない。ただし、縄張り (territory)と、子育てに利用した場所は頑強に守り抜く。

 

2Robins are frantic breeders

  1月に入ると、「robins」にとっては、もう巣作りの時期。メスは一度に 4 −5個の卵を生んで、これを温め始める。オスは、その間に、前回の繁殖期で生まれた幼鳥の世話に当たる。

 

3.With so many young being raised, why aren't we inundated with robins?

  ときには年に2回も産卵し、そのほとんどの卵が孵化するとあっては、森の中が「robins」で溢れかえってしまいそうだが、そのようにならないのはなぜだろう。

 それは、「robins」の寿命が極めて短いからだ。平均寿命は 1年足らず。冬の寒波も、個体数を減らす原因の一つになっている。

 

4.Male and femaiel robins look akike, both having red breasts

  「robins」のメスとオスは、シジュウカラ (great tits)のように、見た目で区別することは難しい。どちらも、胸元が鮮やかな朱色。そのメスとオスは、それぞれ縄張り (territory)を持っていて、2匹が結ばれるまでは、互いを「intruders (侵入者)」と見なし、縄張りに入る相手を攻撃する。

 とくに、繁殖期のオスの攻撃はすさまじく、縄張りに侵入した他のオスに対して鋭くさえずっては、攻撃を繰り返す。

 

5.Robins sing all year round

  「robins」は、1年中鳴いている。夜間でさえ、クルマのクラクション (car horns)、雷、消防自動車の警報音などに刺激されると、夜通し鳴くことがあるという。さらに、夜の街灯も、「robins」の夜と昼を狂わせる原因。その灯りの下で、寒くて長い冬の夜にもかかわらず、ずっと鳴き続けるとか。

 

6.Robins really are ‘the early bird’

  「robins」は早起き。朝、他の小鳥たちが目を覚ます前から、エサを探して、忙しく動き回る。誰よりも早く起きると、「先手必勝」。まさに「早起きは三文(もん)の得(とく)」を地で行く鳥だ。それを可能にしているのは、その特殊な目の構造にある。ネコの目のように、薄暗がりでも、物がよく見えるのだ。夜、街灯の灯りで「ヒナドリにエサを与える」という、はなれわざまでやってのける。

 

7.Robins evolved following pigs and boar as they rootled about

  「robins」はお利口な小鳥。野に放たれたブタや野生のイノシシを発見すると、これに付いて回る。ブタ・イノシシが地面を掘り起こすのを知っているからだ。これによって地中に隠れていたミミズ、クモ、昆虫が地表に現われるため、「robins」は難なくエサに有り付ける。

 近頃は、野生のイノシシがめっきり減った。そこで、「robins」が目を付けたのは「gardeners (ガードナー)」。庭仕事の側にやって来ては、大好きなミミズを狙う。そんなわけで、いつしか「robins」は「gardener’s friend」と呼ばれるようになった。

 

8.Robins are omnivores 

 「robins」がいくらミミズが大好物と言っても、ミミズだけ食べるわけにはいかない。植物の種子、果物、昆虫なども食べる「omnivores (雑食性)」だ。だから、庭の小鳥用のエサ棚に「suet pellets」、「meal worms」、「seed mixes」などを置くと、すぐに庭にやって来る。

 

9.And finally, why is the robin associated with Christmas?

 最後に、「robins」の姿が、なぜクリスマス・カードに登場するのかについて。

 そこには、こんな背景がある。ビクトリア王朝時代の郵便配達人は、遠くからでもよく目立つ「red tunics (赤いコート)」の制服を着用していた。それで、その時代、郵便配達人は「robins」とか「robin redbreasts」と呼ばれた。

 その後、時代が変わっても、クリスマスカードを届けてくれる「postmen (郵便配達人)」と「robins」に対する「親愛の情(goodwill)」が重なって、クリスマスカードに「robins」の絵柄が好まれるようになったのだ。

 

おわりに:英語で「robins」と言っても、「European Robins」と「American Robis」、「Japanese Robins (コマドリ)」とは種類が違う。北米の「robins」はツグミくらいの大きさで、精悍な目つきと体型が特徴だ。

                      (写真は添付のRTE Newsから引用)

 

付記:新年あけましておめでとうございます。

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暗く、寒い冬:何事も億劫になる「冬バテ」を乗り切るために! (RTE-News, Dec 10, 2020)

No matter your age, a few simple lifestyle changes can help to combat sluggishness when the big chill sets in. Liz Connor hears four of the best.

 かって、太陽系第三惑星「地球」は氷河期に入り、地球上の全てが厚い氷と雪に覆われたことがあった。それでも、植物・動物、それにヒト族 (Homo)の祖先は、その極寒と飢えと、日照不足による病気に耐えて、生き延びた。

 

 氷河期には、毎日が暗く、それが何万年も続いた。気が遠くなりそうな「氷の世界」であった。その最悪の状況下にあって、クマやウサギ・リスなどは、体の基礎代謝機能を低下させ、食糧がなくても生き延びる術(すべ)、すなわち「冬眠」を進化させた。コウテイペンギンやサルは、互いに身を寄せ合うことで暖をとり、寒さを凌(しの)いだ。 

 

 そして人類。すでに類人猿とは違って、厚い体毛はとっくに失っていたし、食糧がないと言っても、冬眠するわけにもいかなかった。さぞかし、苦しく、辛(つら)い生活だったに違いない。

 

 その「暗い地獄」のような体験の記録が、現代人の DNAに刻まれているのだろうか。冬になると、なぜか、体調に異変が現われる。それが「winter tiredness (冬バテ)」だ。

 もちろん、現代人は、生命体として精神的・肉体的に、ひ弱になったことは事実だ。ほとんどの現代人の仕事と言えば、四六時中、パソコンに向かうこと。野山を走ることや、額(ひたい)に汗をかいて働く喜びなどはとっくに忘れた。

 

 そして、どの国,どの機関・企業の権力者も、政治、経営、マネジメントと称して「権謀」に明け暮れ、人のものを盗み、騙(だま)し合い、寒いときに互いに体を寄せ合って暖め合うどころか、互いに憎しみ合って殺し合う。「人や自然を思いやる心 (spirits)」に関しては、進化 (evolution)するよりも、むしろ退化 (devolution)したとも言えよう。

 

 しかし、とにもかくにも、その「冬バテ」だけは、少しでも軽くする必要がある。これ以上、心が退化しないためにも........。以下にそのコツを述べる。

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1.Put sleep on your plate:睡眠はお皿の上の料理次第

 

 日中、活躍できるのも、夜、ぐっすり眠っているからだ。そのためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせない。とくに「amino acid tryptophan (アミノ酸トリプトファン)」を含む食品

 

・turkey:七面鳥

・soy:大豆

・nuts:ナッツ類

・seeds:種子

・oily fish:脂っこい魚(サーモン、サバ、ニシン、サンマなど)

・beans and pulses:豆類

 

が有効だ。「 tryptophan (トリプトファン)」は、睡眠ホルモン「melatonin (メラトニン)」の合成、分泌の働きを促す化合物として知られている。

 

 さらに夕食時には、パスタ・ライスなどの「carbohydrate (炭水化物)」を摂取する。炭水化物には「 tryptophan (トリプトファン)」を脳に運ぶ働きがあるためだ。

 なお、腹いっぱい食べることよりも、食べるものの質と栄養バランスを考えることが大切。

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2.Get into the habit of trying something new every week:新しいことに挑戦

 

 日の出の遅い冬の朝、まだ暗い寝室でベッドから起き出し、顔を洗い、食事をし、仕事に出かけて、帰宅。その後、シャワーまたはお風呂に入って夕食を済ませ、TVを観て、ベッドに入る。 

 冬の間、来る日も来る日も、このパターンを繰り返していては、刺激に欠け、「sluggish same-old feeling (だるく、古びて面白みのない単調な気分)」に心が塞(ふさ)がれてしまう。

 

 このマンネリズムを打破するためには、週に一度で良いから、何か新しいことに挑戦することだ。食べたことのない冷凍食品、キャビア、青カビチーズを食卓に載せたり、テーブルクロスを変えるだけでも、生活にメリハリと刺激が生まれる。

 

 また、これまでやったことのない、新しいこと (something new)に、敢えて取り組んで見よう。

 そうかと言って、お金を掛ける必要は、まったくない。例えば、読書が好きな人は、ジャンルを変えるだけで、ワクワクするものだ。歴史物しか読まない人も、たまには、H.G.Wellsの SFフィクションやアガサ・クリスティー推理小説に目をとおすと、思わぬ発見がある。「食わず嫌い」は、たった一度の人生を陳腐なものにする「毒」。

jane austen book GIF

3.Get moving:体を動かして、幸せ気分に

 

 スキー、スケートに嵌(はま)っている人はともかく、冬の間は、どうしても「運動」の機会が少なくなる。しかし、ときに、この運動不足が「メンタルヘルス」を悪化させたり、「免疫力」を弱める原因になりかねない。

 

 運動すると、神経伝達物質「serotonin (セロトニン)」、「dopamine (ドーパミン)の分泌が促進される。いずれも、精神を安定させ、「幸福感に満たしてくれる化学物質 (feel-good chemicals)」だ。体を動かすと、心の不安も鬱(うつ)の気分も吹き飛んでしまうのだ。

 

 だから、冬の間は、せめて 1日30分間、運動することが望ましい。それができなければ、背筋を伸ばして「brisk walk (キビキビと歩く)」。それだけで、心の中がすがすがしくなること、間違いなし。

autumn love GIF by The Bachelorette Australia

 なお、心理学が専門の Dr Megg Arrollによると、人間の1日の行動の約 50%は無意識的で習慣的なもの。

 その習慣に少しだけ変化を与えてやると、単調に陥りがちな冬の暮らしの活性化につながる。運動のモチベーションが、なかなか上がらない人は、時間が空いたときにすぐに運動できるように、目立つ場所にトレーナーを置いてみる。

 また、冷蔵庫内の食品の配置を変えるだけで、小さな「ダイエット革命」になる。ドアを開けて一番に目の行く棚に、ケーキ・スイーツを保管してはならない。そこは健康食品のストック場所にする。

 

4.Let there be light:お日さまに当たる

 

 冬の朝、目が覚めても、外はまだ真っ暗。小鳥の声も聞こえない。これでは、なかなか「’get up and go’ feeling (直ぐに起き出して、何かを始める気分)」になれない。それに日照時間が短いため、太陽光を浴びて分泌される睡眠ホルモン「melatonin (メラトニン)」、幸せホルモン「serotonin (セロトニン)」が不足がちになる。

Meg Ryan Comedy GIF by Coolidge Corner Theatre

 だから、冬の間、晴れた日には、できるだけ外に出て太陽の光を浴びること。たとえ、少々曇り日であっても、1日 20 −30分散歩すると、ホルモンの分泌効果が現われるはずだ。

 

 散歩が無理なら、「light therapy (光療法)」用の「SAD lamps」を使う方法もある。これで100%の効果は期待できなくとも、春を待つ数ヶ月間だけなら、短期的に有効だ。ただし、このライトに対して皮膚や目が敏感に反応する人は、使用前に専門医に相談すること。

sunbathing heidi montag GIF by The Hills

おわりに:「寒いから」、「暗いから」と言って、室内に閉じ困っていては、「doom and gloom (陰々滅々)」。心の中にまでカビがはえてしまう。冬こそ、「鉄を打って剣となし、剣の道に磨きを掛ける」ときだ。

 

 [ 追記:暫時休憩。読者の皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。]

 

 (写真、動画は添付のRTE Newsから引用)

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コロナ感染の重症化・死亡リスク:「貧困」と高い相関性があった! (BBC-News, Dec 15, 2020)

intensive care bed

 興味や人生の充実感・幸福感は、人によって違う。観光客も訪問客もほとんど来ない北国の孤島で、わずかばかりの田畑の耕作を糧(かて)にしながら、毎日の暮らしに充足と幸福を見出す人もいるだろう。

 しかし、そんな生活であっても、ときには病気に罹(かか)ることもあれば、強盗に襲われたり、知的な情報が必要になったり、子どもが生まれると、その教育だって欠かせないはずだ。

 

 生きていくためには、生活する上で、少なくとも最小限の「socioeconomical issues (社会経済上の条件)」が整っていることに越したことはない。

 

 さて、Scotlandでは、全土を約7,000に小分割し、その各地域の「Index of Multiple Deprivation (多重貧困指数 IMD)」を算定している。その根拠となる主なデータは

 

・Income:収入

・Enployability:就業能力

・Education:教育

・Health:健康

・Crime:犯罪

・Barrier to house and service:住居・公共サービスのバリア

・Living environment:生活環境

 

したがって、IMDマップを見れば、ひと目で、貧困地域が特定できる。

 

 Edinbugh大学の Dr Nazir Loneらの研究グループは、Glasgow大学と共同で、新型コロナ Covid-19感染の重症患者のカルテと緊急入院治療患者のカルテを調査し、驚くべき事実を発見した。

 Scotlandの極貧地域の住民は、富裕地域に比べて、コロナに感染すると重症化もしくは死亡するリスクが、圧倒的に高かったのだ。

  さらに、貧困地域における医療機関の重症化病棟の病床数が逼迫(ひっぱく)していた。

 

 明らかに、コロナ感染の「重症化 (severe disease)」と「貧困(poverty)」との間には強い相関製が認められたのだ。

 Dr Loneは、その主な原因として

 

・poor housing:粗末な住居

・increased use of public transport:公共輸送機関の使用増

・financial pressure to continue working:経営上の資金難

などが考えられるという。

 

おわりに:金持ちであろうが、貧乏人であろうが、人の命の尊さに変わりはない。けれども、貧困者が Covid-19に強く晒されていることは、まぎれもない事実。とすれば、ごく一般的な感染予防対策、医療体制では不十分だ。その社会経済上の格差から生じるハンデイを補うための、緊急の特別処置が求められている。

       (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ピノキオの鼻の「リオ・ティント」:豪州の先住民の聖地を爆破! (BBC-News, Dec 9, 2020)

Juukan Gorge cave site before and after mining works

 独自の文化・歴史を有する民族には、決して穢(けが)してはならない「聖域 (sancturary)」がある。ストーン・サークル、神社・仏閣、霊山、アイヌ民族のチャシ、教会などがそれに当たる。

 たとえ、その地下に、どのような金銀財宝が眠っていたとしても、軽々に掘り起こすことはもちろん、爆薬を仕掛けて、地表面を剥ぎ取るなどは、もってのほかだ。

 

 ところが、その「inexcusable acts (あってはならない、許されざる行為)」が、世界屈指の大手鉱山会社 (資源メジャー)「Rio Tinto (リオ・ティント)」の手によってオーストラリア先住民「Pinikura(PKKP) people (ピニクラ民族)」の聖地「Juukan Gorge caves (ジュカーン・ゴージ洞窟)」に対し、行なわれたのだ。

 

 西オーストラリア州「Pilbara (ピルバラ)」で発見され、保存されて来たこの洞窟は、オーストラリアで最も貴重な考古学的遺産だった。なにしろ、およそ4,600年前に先住民がつくり上げた聖なる洞窟であり、それは、最終氷期以降、オーストラリア大陸に人類が住んでいた証(あかし)でもあった。

 

Rio Tinto」は、その地下に眠る高品質の鉄鉱床に目がくらむ。埋蔵量約800万トン (地価約100億円相当)の詳細な鉱床データを得るため、今年の 5月20日、爆破作業を強行したのだ。「Rio Tinto」は、すぐに、世論、株主 (shareholders)の痛烈な批判に晒され、責任を問われた最高経営責任者 Jean-Sebastien Jacquesはじめ、首脳幹部は、職の辞任に追い込まれる。

 

 それでも、そんなことで、世界第 3位の資源メジャーRio Tinto」による文化遺産の破壊行為は、許されるはずがなかった。

 オーストラリア議会は調査に乗り出した。そして、ようやく、その調査結果の報告書「Never Again」(報告書のタイトル)が、この12月 9日(水)公開された。

 それによると、

 

・鉱山会社「Rio Tinto」は、遺跡の歴史的・文化的価値を十分に知りながら、その遺跡を爆破した。

・会社側は、ただちに当地における全ての鉱山開発活動を停止すること。

・会社側は、聖地の所有者である先住民「Pinikura(PKKP) people (ピニクラ民族)」に損害を賠償し、遺跡を復元すること。

文化遺産保護法の改正が必要であること。

 

などが記されているという。

 なお、「Rio Tinto」は、自社の過ちを認めて、これを謝罪し、二度と同じ過ちを犯さないこと、遺跡の復元にはPKKP側と共同で当たることなどを約束したと、BBCは伝える。

 

 さて、「先住民 (indigenous people)」と「原住民 (aboriginal people)とは、ほとんど同じ意味だ。しかし「原住民」には、差別的な蔑視が込められている。とくに、「アボリジー(Aborigines)」と言えば、「Australian Aboriginal people」のことを指すことが多い。

 

 三省堂の「国語辞典」は「原住民」を次のように定義する。

 

・原住民:(「原」は [もともと] の意)征服者や移住者が来る前から、その土地に住み独自の文化を持っていた民族。後、多くは片隅に追いやられ、差別に喘(あえ)ぐ。

   (山田忠雄 他:新明解国語辞典、第6版、三省堂、2005)

 

おわりに:1800年代でもあるまいし、Australiaでは、未だに「先住民」を「原住民 (Aborigies)」と呼んで見下す。かって、オーストラリア大陸に船で送られたUKの流刑者、移民は、先住民を銃で脅してその土地を奪い、カンガルーと同じように殺戮した。どんな権力者であっても、その歴史上の事実は、消すことができない。また、消してはならない。

      (写真は添付のBBC Newsから引用)

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