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鎮痛剤パラセタモール:長期服用で心臓発作、脳卒中のリスク増! (BBC-health, Feb 9, 2022)

Woman taking her blood pressure at home

 どんな薬にも「risks (リスク)」と「benefits (薬効効果)」が共存する。

 さて、「Paracetamol (パラセタモール)」(またはAcetaminophen (アセトアミノフェン)とも呼ばれる) は、これまで発熱 (fevers)、頭痛 (headach)、関節炎 (arthritis)の処方薬として広く使用されてきた薬だ。

 

 2018年の調査によると、Scotlandでは、全人口の10人に 1人に当たる約 50万人がこの鎮痛剤 (painkitter)パラセタモールを服用しているという。短期的な治療のためなら、その「benefits (薬効効果)」は大きい。

 しかし、高血圧の人が、このパラセタモールを長期服用すると

 

・heat attacks (心臓発作)

・strokes (脳卒中)

 

の発症リスクが高まることが、Edinbugh大学の James Dear教授らの研究グループによって確認され、診療に当たる一般医に対し、注意喚起が呼びかけられている。

 

 Dear教授らは、ボランテイアの被験者110 (その内 2/3が高血圧症)を対象にした臨床試験を実施した。被験者を 2グループに分け、その 1グループには、2週間にわたって、パラセタモール 1gを 1日 4回服用してもらい、プラシーボを服用したグループと比較と比較した。

 その結果、パラセタモールを長期服用したグループは、プラシーボ・グループに比べて、心臓発作、脳卒中の最大のリスク要因とされる血圧が大きく上昇したというのだ。ただし、この鎮痛剤が、なぜ高血圧を招くのか、そのメカニズムについては不明。 (研究内容の詳細は、医学雑誌「Circulation」に発表。)

 

 これまで、パラセタモールは、「ibuprofen (イブプロフェン)」などの「非ステロイド性消炎鎮痛剤 (non-steroidal anti-inflammatory painkillers)」に比べて、血圧上昇のリスクが少ない鎮痛剤と考えれてきた。Taking paracetamol tablets

 Dear教授らの結果を受けて、 「The British Heart Fondation (英国心臓財団)」は、『たとえパラセタモールのように比較的安全な薬と言えど、医者も患者も、その薬による治療が本当に必要なものか、常に反省する必要がある』と警鐘を鳴らす。

 

おわりに:医者は、「指示通りに薬を飲め」と患者に強要する。しかし、その知識が最先端の本物であり、誠心誠意、患者に対して責任を感じて医療に当たっているのでなければ、その医療行為は、極めて危険なものになる。

                (写真は添付のBBC-Newから引用)

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