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健康のバロメータ血圧:高いのは、それなりの理由が! (BBC-Health, Mar 8, 2019)

Blood pressure monitor

    ブレーキとアクセルを一緒に踏んでいませんか。体のエンジンの心臓のことだ。
 ブレーキを踏みながら、アクセルペダルを踏んでいては、どんなに性能のいい高級車でも、エンジンが音を上げてしまう。血圧を下げる薬を飲みながら、お酒を飲んで、タバコを吸っていては、まさにブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるようなもの。

 血圧は健康状態を端的に表わすバロメータ。この値が高すぎるということは、何らかの問題があって、心臓に無理が掛かっている証拠に他ならない。

 「The American Heart Association (米国心臓協会)」によると、心臓が悲鳴を上げて、「高血圧信号」が点滅している人は、世界の成人人口の約1/3。USに至っては成人人口の約50%に当たる推定1億300万人が高血圧。UKでも高血圧者は数百万人に上ると推定される一方で、治療のため薬を飲んでいる患者は72万人に留まる。

 ただし、「高血圧 (high blood pressure)」とは、上「systolic pressure (収縮期圧)」が130-139 mmHgで、下「diastolic pressure (拡張期圧)」が80-89 mmHg。血圧値がこの領域に入る人は「Stage-1 hypertension」とも呼ばれる。

 血圧値が高いと、なぜ体に悪いか。それは、以下の病気の発症リスクがドンと上がるからだ。

・strokes:脳卒中
・heart attacks:心臓発作
・heart failure:心不全
・Kidney diseases:腎臓疾患

 いずれも発症すると、「death (死)」、「disability (体が不自由)」につながりかねない恐ろしい病気だ。
 なお、血圧値が140/90mmHg以上の「Stage-2 hypertension」になると、10年後に「cardiovascular diseases (心臓循環器疾患)」を発症するリスクは20%に跳ね上がる。

 心臓に余計な負担を掛けて、血圧の上昇を招く主な要因は次の7項目。

・不健全な食生活
・太り過ぎ
・塩分の摂り過ぎ
・お酒の飲み過ぎ
・タバコ
・運動不足
・ストレス

 ところが、一口で血圧値が高いと言っても、その危険度は人によって違う。

・すでに血圧を下げる薬を服用しているか
・他の病気(慢性腎臓疾患など)に罹患しているか 
・年齢は
・生理学的要因(食生活の栄養バランス、アルコール摂取量など)
・社会的要因(仕事内容、労働環境など)
・運動習慣

これらの点を考慮した上で、専門医は「evidence-based (根拠に基づいた)」治療に当たるべきだと、「The Royal College of General Practitioners (王立一般開業医大学)」の Helen Stokes-Lampard 教授は述べる。決して、軽々に診断してはならないし、「over-diagnosis (過剰診断)」になってはならないと。もっともなことだ。

 しかし、そのように、丁寧に診察してくれる病院など、どこにあるのだろう。ほとんどは、血圧値だけの判断で、これを下げる薬を一律に処方しているのが現実ではないか。

 血圧値は、大事な体の「声」だ。その声をよく聴いて、他人だけに頼ってはならない。すぐに、医者だ、薬だと騒がず、どのようなときに、なぜ高くなるのか、どのように測定すれば正確な値が得られるのか、自分自身で確かめることが大切だ。
 ただし、決して、ブレーキとアクセルを同時に踏むようなことがあってはならない。
 
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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