ワイン・ボトルの糖分:シュガーシロップ・ドーナッツと同じ (BBC-health, Feb 17, 2022)
おとなの飲みもの「ワイン」は、ミネラル・ウォーター、ジュースと違って、ずいぶんとごまかしが多い。どこの誰がつくったものか、分からないようにし、成分表もない。せいぜい、「添加物:酸化防止剤 (亜硫酸塩)」と記入されている程度だ。
Sir Ian Gilmore教授は、現行のワイン表示規定を「absurd (ばかげている)」と一蹴(いっしゅう)する。
「Alcohol Health Association UK (英国アルコール健康連盟)」が、UKで販売されている各種各銘柄のワイン (白ワイン、赤ワイン、スパークワイン) 約 30本について調べたところ、いずれのボトルにも成分表示はなく、ラベルにカロリーが記入されているものでも約1/5に過ぎなかった。
そして、驚いたことに、ワインのボトル (750mL)には思いの外、多量の糖分が含まれていた。中には、1本につき 59gの糖分を含むワインさえあった。これは「シュガーシロップ・ドーナッツ (glazed doughnut)」1個分の糖分に匹敵する量だ。
なお、NHS (UK国民保険サービス)が推奨する砂糖の最大摂取量は、1日当たり30g (角砂糖7ヶ)。つまり、ワイン・グラス (175mL) 2杯を飲んだだけで、砂糖の摂取量は、NHSのガイドラインの限界値に達してしまうことになる。
糖分の摂り過ぎが肥満、虫歯、7種類のガンに関与していることはよく知られた事実だ。
国際的な市場調査会社「YouGov」が、2021年に約12,000人を対象に実施した「ワインのラベル表示に関する調査」によると
・61% :カロリー表示が必要
・50%以上:糖分の含有量表示が必要
と回答したという。
このような消費者の声に対して、「The Wine and Spirit Trade Association (ワイン・スピリッツ業界団体)」代表の Mr Miles Bealeは、「(ワインなどの) 栄養成分の情報などはネットで検索できるので、ラベル表示は不要」と主張する。ネット検索が迅速かつ簡単だ。その上、販売側にとってコスト削減になると....。
おわりに:それは身勝手な言い分というものだ。日本酒に水飴が混ぜられていることは誰でも知っている。しかし、ワインにどんな混ぜものをしているのかは秘密だ。ワインの関税が引き下げられると聞いたが、一向に価格が下がらない。また、内容(ingredients) 情報については、極めてお粗末だ。いったい、どんな圧力・政治団体が、食品・酒類表示法の改正を抑えているのだろう。
(写真は添付のBBC-Newから引用)