ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

Irelandの粗悪コンクリート被害:政府の救済予算約4,200億円! (RTE-News, Oct 1, 2021)

The external wall of a home crumbling due to the presence of mica

 中国の武漢で発生したコロナウイルスは地球全体に拡散した。そのウイルスは、これまで 504万人以上の人命を奪い、世界中の人々の生活、経済を危機におとしいれた。医療関係者、商店・事業経営者は疲弊し、国の財政まで苦しい状況に追い込まれた。

 

 そんな中で、Irelandでは、大変な災難が起きている。

 コンクリーをつかって、マイホームを建てたところ、なぜか壁にヒビが入り、ボロボロと崩れ落ちたのだ。原因は、コンクリート骨材に、規定以上の雲母 (mica)や黄鉄鉱(pyrite)などの鉱物が混入していたためだ。

 

 とくに、IrelandのDonegal (ドニゴール)、Mayo (メイヨー)地区の住宅に被害が大きく、劣悪なコンクリートブロック(faulty concrete blocks)の被害住宅は、両区だけで5,700件以上を数え、Ireland全体ではおよそ6,600件にのぼると推定されている。

 Ireland政府「Department of Housing (住宅省)」は、「Defective concrete blocking grant scheme (欠陥コンクリートブロック補償事業)」に関するワーキング・グループを立ち上げて、「Mica redress scheme cost (雲母被害救済コスト)」を試算。このほど、議会に提出する事業予算案を公表した。

 

 それによると、被害を受けた人々を救済するためには、「capital works and associated costs (資本業務及びそれに関連した経費)」だけで約 €3.2billion (約4,200億円)。

 なお、救済対象には「non-residential builddings (非居住建築物)」は含まれない。また、家屋を全面的に取り壊して再建築することは認められず、補償金は、あくまで修理コストに限られるようだ。

 

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れたBBCの記事も参照した。記して謝意を表したい。

 

BBC: June 15, 2021

・Donegal Mica houses: Government will ‘do all it can’

 

おわりに:Ireland政府は、違法なコンクリート建築に目をつぶっていたとでも言うのであろうか。これは、東京電力福島第一原発の事故によく似ている。そもそも、事故の責任は、業者・企業、電力会社にあるのに、なぜ、市民の救済に国の財源が注ぎ込まれなければならないのか、まったくもって不可解。ただし、Ireland政府は救済に当たって「できることはなんでもする (do all it can.)」と言っているそうだ。

              (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie