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都市洪水は、なぜ起こる!:どう対処すれば良いか! (BBC-Science, July 26, 2021)

Pedestrian walking through floodwater

1.突発洪水 (flash flooding)

 UKの7月は、例年になく雨が多かった。Londonを含む England南部が集中豪雨に見まわれ、街の中心街の道路は冠水して水浸しになった。溢れた水を「drains and sewers (下水溝)」がさばき切れないのだ。

 そして、各地の道路は通行止めになった。クルマは道路上で立ち往生して動けなくなり、放置されるクルマも続出。住宅や店舗も洪水の被害にあった。さらに被害は公共インフラにも及び、Londonの一部の病院では、停電のため、患者に自宅待機を求める騒ぎとなった。

 

2.なぜ、都市部で洪水被害が起こるようになったか

 その原因の一つは、都市部の地表が石畳・コンクリートアスファルト舗装で覆われて、雨水が地下に浸透できなくなっているためだ。道路、大通り、駐車場、それに住宅の前庭 (front gardens)まで舗装されては、「surface water flooding (溢れた地表水)」の行き場がないのだ。

 道路に冠水した水が、歩道の「curbs (縁石)」を超えると、危険信号。溢れた水が地下鉄の通気口や階段から地下鉄構内に侵入し、事態は一層悪化する可能性がある。

 

 それに、UKの下水道の多くは、古い降水記録データに基づいて設計されている。

Londonの下水道に至っては、ビクトリア朝時代に建設されたものだ。とても、近年の人口増に対応しきれていない。

 

3.今後も都市洪水は続くのか

 都市部を襲う突発洪水の最大の要因は、気候変動 (climate change)がもたらした地球温暖化だ。温室効果ガスの影響を受けて、地球の温度が上昇した。これによって大気中の水蒸気の量が増し、嵐が吹き荒れ、雨が激しく降るようになったのだ。

  この異常気象 (extreme weather)は、激しい雷雨 (thunderstorms)を発生させ、バケツをひっくり返したような土砂降り (heavy shor -duration bursts)を招く。それも、近年は、ごく普通に見られるような気象現象になってしまった。

 

 「The UK Climate Resilience Programme (英国気候復元計画)」に携わる Hayley Fowler教授らの研究によると、このまま、気候変動が続くならば、2080年代には突発洪水の発生頻度が3倍になると予想されるという。

 

4.では、どうすれば良いか

 Reading大学の Dr Linda Speightは、都市部の水害を防ぐ対策として、「透水性のある歩道 (permfeable pavements)」や、ビルの「屋上緑化 (geen roofs)」が効果的であると指摘する。さらに、気象学の進歩を活用し、正確かつ迅速な洪水予報システムを確立すること。

5.自宅を洪水被害から守るには

 まずは、自宅が災害危険地域に入っていないか、チャックする。川から離れた場所にあっても、必ずしも安全とはいかない。

 万が一の洪水に備えて、貴重な品々は地下室 (あるいは 1階) から上階に移しておく。また、できることなら、壁のコンセントを高めの位置に再設定する。カーペット敷きの床は、タイル張りに変更するのもお勧めだ。Car driving through flood water

6.それでも洪水が発生したら

 道路が冠水し、水嵩が増してきたら、クルマの運転には注意が必要だ。クルマが動けなくなり、クルマの中に閉じ込められて溺死する事故が後を絶たない。

 なお、英国自動車協会 AAによると、道路の冠水高さが30cmを超えたら、ハンドルを握らないことだ。

 

おわりに:洪水を自然災害と呼ぶ人もいるが、その多くは人災に近い。災害リスクを軽んじると、とんでもない結果を招きかねない。また、最近、地価が安いからとの理由で、敢えて、災害危険地域に自宅を建設する若い人が増えていると聞く。いったい、どうして、こんな無茶・無謀が許される世の中になったのだろう。

      (写真は添付のBBC Newsから引用)

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