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医薬品の緊急搬送:孤島にドローン(無人飛行機)を飛ばせ! (BBC-News, Dec 11, 2020, M511

Drone taking off

 それほど昔のことではない。孤島や奥深い集落では、マムシに咬まれた人や破傷風の患者が発生しても、すぐに血清治療ができずに、命を落とした人が少なくなかった。

 患者を救う方法はただ一つ。飛行機に血清を積んで飛び立ち、上空から血清の入った荷をパラシュート落下させることだった。

 

 そして時代は「drone(無人飛行機)」の開発を急いだ。もちろん、その最大の目的は、軍事用ドローンの戦闘・飛行能力を高めることだった。

 しかし、小型の民事用ドローンの技術開発も進んだ。

 

 さて、England南西に突き出る「Cornwall Peninsula(コーンウォール半島)」の岬から約40kmの沖合に、「The isles of Scilly(シリー諸島)」が浮かぶ。ここは人口約2,200人、温暖で観光客に人気のスポットだ。 

 けれども、なにせ、交通が不便。本土とシリー諸島を結ぶ連絡船もチャーター便「Sky bus」も、定期船・航空会社「The Isles of Scilly Streamship Group (ISSG)」によって運行されているにせよ、緊急時の医薬品などの小荷物輸送の利便性に欠ける。

 

 そこでISSGは、Hampshire(ハンプシャー州)に本拠を置く、ドローン製造会社Flylogixと提携し、England本土の「Land’s End Airport(ランズ・エンド飛行場)」と、シリー諸島の「St Mary's Airport(セント・メアリーズ空港)」を結ぶ(無人機輸送プロジェクト」を立ち上げ、この度、その初飛行を行なった。

Package

 無人機はNHS(国民保健サービス)の医薬品ボックスを機内に装着し、無事、往路約97kmを飛んで、所定の任務を果たすことに成功した。

 なお、帰路についた無人機には、シリー諸島特産の「gin(ジン)」、「cut flowers (切り花)」が積まれていたという。

 

 今回の成功を受けて、ISSGは、来年の夏から1日1便の航空貨物便ドローンの運行を計画しているとか。

 

おわりに:いっときラジコンがブームになった。このときは、法律上、禁止されている公園や個人の敷地上空を飛び回り、墜落事故やそれによる怪我人も出て、大いに迷惑した。今は、小さな子供までドローンを飛ばしている。法律の早急な整備が急がれるのに、当局は逃げの姿勢だ。

 

 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com