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地球温暖化が止まるも続くも:この2大国の政策に懸かっている! (BBC-News, May 7, 2021)

A security guard stands outside the cooling towers for a coal-powered power plant

 「うなぎ登り」とはよく言ったものだ。うなぎが水中から水面に向かってグイグイと昇るさまをなぞらえたものとか。

 

 さて、USのシンク・タンク (調査会社)「Rhodium Group (ロディウムグループ)」の最新の調査結果によると、世界の「greenhouse gas (温室効果ガスGHG)」排出量は、この数十年で、うなぎ登りに上昇し、2019年には520億トン (CO2換算値)に達した。

 

 なかでも、この30年間で GHG排出量を3倍に増やした国が中国。この国一国だけで世界の GHG排出量の 27%を占め、先進国全ての総排出量を上回る。

 中国に次いでGHGを大量に排出しているのは US (11%)、India (6.6%)と続き、日本(2.2%)は 8番目に多く GHGを排出している。

 

 中国は、一人当たりの温室効果ガス GHGこそ USに及ばないが、それも、今後 30年間で 3倍に膨れ上がると見込まれている。

Greenhouse gas emissions (%). .  .

 これまで中国は、2030年に GHG排出量がピークに達した後、2060年には「実質、排出ゼロ」にすると誓約して来た。先月、USの Biden大統領の主導のもとに開催された「climate summitt (気候サミット)」では、中国の習近平首相は、先の誓約を再確認したという。そのときの声明だ。

 

”This major strategic decision is made based on our sense of responsibility to build a community with a shared future for mankind and our own need to secure sustainable development.”

[ この戦略上、重要な決定は、人類が将来にわたって、ともに分かち合える社会を創り上げるために、取るべき責任があるとの我国の認識に基づいて、さらには、我国の持続可能な発展を担保するために必要であるとの基本的な立場に立って、なされたものである。]

 

 ただし、現在、中国では 1,058基の火力発電所が稼働している。2015年に制定された「Paris accord (パリ協定)」(目標︰産業革命以前からの世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える)では、各国に「National Deetermined Contributions (削減目標値NDCs)」が割り当てられている。

 しかし、世界各国の大気汚染の監視・調査に当たる「The Climate Action Tracker」によると、中国の「NDC ratings (削減目標値)」は、実際の温室効果ガス GHGの排出状況からも、パリ協定の目指す「平均気温上昇 2℃未満」の方向からも、かけ離れている。

 USの Biden大統領は、外交上の緊張が高まる中で、John Kerry特使を中国に派遣し、気候変動問題に関する共同歩調策を探った。

 Kerry特使の会見後、『US、中国の両国は、他の国々と一緒になって、特定の (GHG排出抑制) 行動を含めた気候変動対策の取り組みに、ともに尽力する』との、共同声明を発表した。

 

 なお、今年11月、UKのGlasgowで開催される「COP26」では、温室効果ガス超大国の中国とUSのリーダーを迎えて、パリ合意 (Paris Agreement) の合意の目標を加速する「action」計画が話し合われる予定とか。

 

おわりに:互いに自国の利益を主張し、地球温暖化の責任を他国になすり合っていては、地球全体の問題は解決できない。なんとも悲しいことに、解決は不可能と思われる。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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