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ブラジル・コーヒーはなぜ苦い!:それは樹々の精霊の涙  (BBC-Sci & Env, June 2, 2020)

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 地球人として、非情な扱いを受ける人の姿には、心が痛む。強欲な人間が、ささやかな生活を営んでいる同じ「ヒト族 (Homo)」の、わずかな財産や土地、ときにはその命までを略奪するとは、なんとも情けない生物だ。

 この数年、世界的な異常気象が続いたせいか、軍国・愛国主義的な思想がもてはやされるようになった。「運」、「金」、「謀略」のいずれか、またはその全てに長(た)けて、見せかけの将来の富を口約束しては、いっときの民衆の心を煽り掴んで、国のリーダーとなる事件が相次いだ。

 Jail Messias Bolsonaro(ジャイル・ボルソナロ)氏が、2019年1月にBrasilの大統領に就任。そのとたんに、アマゾンの熱帯雨林で、森林火災が急増した。当の本人は、自然災害と主張。西側諸国の批判には、内政干渉であるとして、逆に攻撃する始末。

Fires in Brazil

 とくに、アマゾン川河口を抱えるブラジル北部の「Para (パラ州)」では、土地の略奪と鉱山開発をもくろんで、「indigeneous teritories (先住民地区)」の「原生林 (primary forest)」に、先を争って、火を放つ輩(やから)が後を絶たなかった。その結果、アマゾン川流域の広大な森林が消失した。

 USの Maryland (メリーランド)大学の研究によると、世界の原生林は、6秒ごとにに、サーカー場の広さ (約7.140m2)に相当する面積が、次々と「焼け野原」と化しているという。その森林消失の 1/3をブラジルが占める。(なお、Bolsonaro氏の行動の異常性は、消極的なコロナ感染対策でも露呈。)

 また、Boliviaも隣国ブラジルと似たような状況にある。ボリビア北部の先住民「Chiquitano (チキタ−ノ人)」が暮らす乾燥した森林地帯に火を放って、「開墾」に着手する人間が続いた。このせいで、すでに約 12%の森林が消失した。先住民はおろか、その森林を住処(すみか)にしていたジャガー、オオアルマジロ、バク (tapirs)などの多くの野生動物が行き場を失った。

 

おわりに:森林に火が放たれて、それまで数百年、数千年と生き続けて来た大木が一瞬にして灰になった。その灰の上に築いた広大なコーヒー・プランテーション。そのコーヒーの味は苦い。精霊の嘆きと先住民の苦しみの声が聞こえる。立ち上る湯気には、精霊の涙が滲みている。地球人の意地を通すなら、そんなものは飲まない。

            (写真は添付のBBC Newsから引用)

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