「天の川」銀河:ゆがんで、ねじけた円盤形だった! (BBC-News, August 1, 2019)
「天の川」銀河:ゆがんで、ねじけた円盤形だった!
宇宙に浮かぶ巨大な銀河系の本当の姿が浮かび上がった。
真横から見ると凸レンズ状で、上から見ると、4本の「spiral arms (渦巻腕)」で構成される銀河系。その中に、太陽と同じように核融合反応で輝く、推定25億ヶの恒星を抱えている。この星雲 (galaxy)は、今からおよそ100億年前に形成されたと考えられている。
これまで、教科書で示されて来た、その形状と言えば、250万光年の距離にある、隣のアンドロメダ星雲に似て、均衡のとれた凸レンズ状。これが、天文学の常識だった。
ところが、Polandが誇るWarsaw大学の Dr Dorota Skowronらの天文学研究チームは、チリのアタカマ砂漠に建設した「Las Campamas Observatory (ラス・カンパマス天文台)」で「The Optical Gravitational Lensing Experiment (光重力レンズ実験)」を進めた。
Dr Skowronらが注目したのは、銀河系の恒星としては比較的若い、約2億年前に誕生した「Cepheid variable stars (ケフェイド変光星)」。
銀河系にあって、2,400を超える、その「Cepheids」の変光周期 (variable cycles)、絶対等級 (maximum brightness)、実視等級 (intrinsic brightness)を観測し、そのデータから、地球から「Cepheids」までの距離を正確に計算して、銀河系全体の3Dマップを作成した。
すると、コンピュータのスクリーン上に現われたのは、円盤が「warped and twisted (ゆがんで、ねじれた)」形の星雲だった。(研究内容の詳細は、科学雑誌「Science」に発表。)
一体、なぜ、銀河系はゆがんでしまったのか。
Dr Skowronによると、おそらく、過去において、銀河系と、その周りに存在した「satellite galaxies (伴星雲)」との間に、ガスやブラック・マターのやりとりがあって、銀河の端の部分がゆがんだものと考えられるという。
なお、銀河系の中心部に若い変光星が集中し、中心から離れるにつれて、年代の古い変光星が観測された。これをコンピュータ・シミュレーションで解析すると、過去において銀河系では、64m、113m、175m年前の 4回にわたって「star-forming events (星形成事象)」があったことになるとか。
謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。ここに記して謝意を表したい。
The Guardian: August 1, 2019
・Most detailed ever 3D map of Milky Way shows 'warped' shape
(写真は添付のBBC Newsから引用)