銀河系の遥か2,800万光年のかなたに:「惑星 (planet)」発見か! (BBC-Science, Oct 28, 2021)
銀河系 (Miky Way)から2,800万光年離れた渦巻星雲「Messier 51 galaxy」の中の連星(binary system)「M51-ULS-1」に、惑星(planet)とおぼしき天体を発見した。
これが確かであるとすれば、銀河系の外の星雲で見つかった惑星の第1号となる。
これまで発見された「exoplanets (太陽系外惑星)」は約5,000を数える。しかし、そのすべてが銀河系の中に限られていた。
その理由としては、遠くの天体からの光は弱くて、光学望遠鏡では観測が難しいこと、また、宇宙にはたくさんの天体が存在し、個々の天体の動きを識別することが難しいため、などが挙げられる。
ところが、「The Harbard-Smithsonian Center for Astrophysics (ハーバード・スミソニアン天体物理学センター)」の Dr Rosanne Di Stefanoらの研究チームは、チャンドラ観測衛星に搭載された「チャンドラX線望遠鏡 (Chandra X-ray Telescope)」を活用して、中性子星とその伴星「M51-ULS-1」の観測を続けた結果、その連星の近傍から放出される強力な電磁波が、宇宙時間の一瞬(約3時間)、完全にゼロになることに気づいた。
これは、惑星が恒星を横切る際に起こる「transit (通過)」と呼ばれる現象だ。この中性子星は、かっての「massive star (大質量星)」が崩壊し、ブラックホールに変貌して、伴星 (companion star)を伴っている。伴星の質量は太陽の約20倍。
なお、今回、発見された「惑星の可能性が高い天体 (candidate planet)」の大きさは、ほぼ土星と同じと考えられ、中性子性 (ブラックホール)を周回する軌道半径は、太陽を巡る土星の軌道半径の約2倍と推定されている。
おわりに:銀河系 (直径約10万光年)も渦巻星雲だが、りょうけん座の「Messier 51 galaxy (子持ち銀河)」も典型的な渦巻星雲(直径約7.6万光年)だ。しかし、2つの星雲の間には、2,800万光年という気の遠くなるような果てしない宇宙空間が広がる。
この宇宙のどこかで、地球を観測している生命体がいるだろうか。もし、いるとすれば、今、どんなことを考えているのだろう。
(写真は添付のBBC Newsから引用)