恒星を引き裂いたブラックホール:その瞬間に居場所が知れた! (BBC-Science & Environment, April 1, 2020)
宇宙、それも太陽系を含む「MilkyWay (銀河)」の中心部には、「Sagittariun A*」のような「supermassive black holes (超大質量ブラックホール)」が複数存在する。しかし、実は、ブラックホールと言っても、大きさが色々あり、中でも「mid-sized, intermediate-mass black holes (中規模ブラックホール)」は、その位置を特定するのに困難を極めるとされる。
理由は、重力に限りがあり、周辺の塵、ガスなどを次々と吸い込んでX線フレアを放出するだけのエネルギーが不足しているからだ。このため、中規模ブラックホールの探索には、偶然近づいた恒星をブラックホールが飲み込む瞬間を待つしかない。
ところが、New Hampshire大学の Dr Dachang Linらの研究グループは、X線観測衛星「Chandra」、「XMM-Newton satelite」、それに「Hubble Space Telescope (ハッブル宇宙望遠鏡)」のデータを解析し、銀河系とは別の「星雲 (galaxy)」の末端部に、その中規模ブラックホール「3XM J215022.4-055108」が存在することを発見した。(詳細は「The Astrophysical Journal of Letters)」に発表。)
それは、その強烈な重力によって恒星を引き裂き、膨大な質量を取り込んで、瞬間的に強烈なX線フレアを放出したのだ。
しかし、この発見で、ブラックホールの疑問が全て解決したわけではない。ブラックホールは、なぜ、この宇宙に発生するのか。それは、どんどん成長して超大質量ブラックホールになるものなのか。銀河系のように、密集した恒星のクラスターの中にブラックホールが集中するのはなぜか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)