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ごり押しでつくった風力発電:まったく動かず、役立たず! (BBC-News, January 10, 2019)

https://ichef.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/1B6F/production/_105132070_img_0785.jpg

 どこの、だれだか、だれも知らない。どこまでも秘密にされる。しかし、そのだれかが、権力を楯に強情を張り、あるいは、とんでもない思い違いをしたお陰で、大衆が大変な被害を受けたり、大切な税金が無駄に使われることは、よくあること。
 建設当初からトラブル続きの高速増殖炉もんじゅ」が廃炉になって、1兆円を超える税金が無駄になり、先日は、厚生労働省の「毎月勤労統計」調査に関する違法行為で、またも、数百億円のお金が無駄になった。

 海の向こうの Walesで起きた、風力発電に絡む権力者の「ごり押し (arm-twisting)」もひどい。
 Wales中部「Powys(ポーイス州)」のLlangurig (サンギリグ)は、風光明媚な、のどかな一帯だ。ここに、再生可能エネルギー会社と触れ込む「Nyold Energy (ニヨルド・エナジー)」が、風力発電施設の建設計画を持ち出したのは、今から5、6年年前のこと。
 高さ約100mのタービン (最大出力2.5MW/基) を6基並べて、この地区に「Bryn Blaen wind farm (ブリン・ブライン風力発電プラント)」を建設し、一般住宅 8,400戸分の電力 (15,000kW)を発電する計画だった。

 しかし、「Powys county council (ポーイス州議会)」は、その計画案を2015年、景観が損なわれる恐れありと判断し、却下した。ところが、その後も、会社側は、風力発電事業が地域経済に得策になることをアピールし続けた。
 また、どこで、どのように手はずを整えたのか、州議会に「Planning inspectorate (発電計画調査団)」までつくらせ、ついに、建設認可を手にすることに成功する。

 このような「ごり押し」で、せっかく、つくった巨大なタービン。いくら再生可能エネルギー施設で、地球に優しいと口先で弁明しても、動かなければ、ただの巨大ゴミ。地元住民が目撃するところでは、昨年の 2月頃から、この風力発電のタービンは、まったく動いていない。

 Llangurig (サンギリグ)の住人 Mr John Doréは、Nyold Energy (ニヨルド・エナジー)社の風力発電建設計画に異議を唱え、「High Court (高等法院)」まで戦うが、資金の潤沢な大企業の力の前に、敢えなく敗れる。これで、裁判費用£30,000 (約440万円)が消えた。
 しかし、Mr Doréは胸を張る。

" I thought that was the right thing to do and I have no regrets at doing that."
" What we are sure about is that we have these turbines standing there blighting the countryside, doing nothing."

[ 自分は正しいことをやったと思っている。やったことに対しては何ら後悔していない。]
[ しかし、確かなこととして言えることは、この田園風景をむちゃくちゃにして立っている風力発電タービンが、何の役にも立っていないことだ。]

 当の Nyold Energy社は、「Bryn Blaen wind farm」の発電実績の公表を求められている。しかし、現在のところ、口を閉ざし、ほおかぶりに徹しているようだ。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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