どうしても雪山に登りたくなったら:無事に帰り着くために! (BBC-News, November 8, 2017)
「雪の女王」それとも「雪女」に誘われてか、毎年、冬になると雪山で命を落とす登山者が後を絶たない。それでも、どうしても雪山に登りたくなった人に、これだけは注意して置きたいことがある。山は豹変する。
晴れた冬の山は、辺り一面がお日様の光にピカピカと輝き、まるで、おとぎの世界に立っているようだ。しかし、吹雪で荒れ狂うと、山も空も区別がつかない、白一色の魔の世界に豹変する。よく知っている山だからと、侮 (あなど) ってはならない。
さて、スコットランドの雪山の話。Cairngorms (ケアンゴームズ)、Torrodon (トリードン) の山岳地帯は、冬、雪が積もり、気温は零下まで下がる。
「Mountaineering Scotland (スコットランド山岳会)」によると、冬の登山では「登山装備が完璧 (right gear)」だけでは不十分。冬の気象変化に十分対処できる「skills(スキル)」が必要だという。登山の前には「weather and avalanche forecasts (天気予報・雪崩注意報)」をチェックし、雪崩危険箇所の確認と、万が一、雪崩 (なだれ) に遭遇したときの行動訓練が大切だ。
さら「Mountaineering Scotland」の「mountain safety adviser (安全登山アドバイザー)」Ms Heather Morning は次のように注意を促す。
"Folk heading out onto the hills in winter should take advantage of the advice and information on offer to ensure a safe and enjoyable day."
"As well as making sure you have an ice axe and crampons that fit, remember that winter days are shorter and colder, so a head torch with spare batteries is essential."
"A simple bivouac shelter is also a very good addition to the kit you carry in your winter rucksack."
[ 冬、雪山に向かう登山者は、安全に楽しんで登山ができるように提供されているアドバイスや情報を活用するように。]
[ 冬の登山に、ピッケルやアイゼンは必需品。また、冬は日が短く、気温が下がることを忘れてはいけない。だから、ヘッドランプの予備バッテリーも欠かせないものになる。]
[ 簡易ツェルトも、リュックの中味に加えるといい。]
さらに「Scotland Mountain Rescue( スコットランド山岳救助)」のMr Kev Mitchellによると、スコットランドの山岳救助は無料。世界一流のボランティアが全シーズン、24 時間態勢で出動要請に待機する。ただし、
・登山の出発前には、詳細な「登山ルート (intended route)」と「下山予定時刻(expected return time)」を記帳すること。
・GPS、OS mapsのアプリ (apps) は、最新版をダウンロードし、「navigation errors」に備えて、他の「navigation apps (ナビゲーション・アプリ」を入れておくこと。
・念のため、地図とコンパスを持参し、その読み方・使い方に習熟しておくこと。
すでに先月、「Dundonnell Mountain Rescue Team (ダンドネル山岳救助隊)」は「Noch Ness(ネス湖)」近くの「Glen Strathfarrar」で道に迷った登山者を救助している。幸い、その登山者は、「bright orange survival bag (鮮やかなオレンジ色のサバイバル・バッグ)」を持っていたため、雪の山の中で一夜を過ごすことができ、翌日、救助隊が発見するのに大いに役だったという。
一つしかない命だ。くれぐれも、雪山なんかで失わないように。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)