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再生可能エネルギーに欠かせない:極低温エネルギー貯蔵システム (BBC-Science & Environment, December 10, 2016)

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 電力会社が風力発電太陽光発電などの「再生可能エネルギー (renewable energy)」を嫌う最大の理由は、そのエネルギーの「断続性 (intermittent)」にある。風が吹かないとき、あるいは雨天のときに必要なエネルギーを確保できないと主張する。

 これまでは、再生可能エネルギーが低下するか、電力の需要が増大した際には、火力発電所の運転を調節して、どうにか対応してきた。
 ところが、石炭火力発電所が次々に閉鎖に追い込まれ、2015年に再生可能エネルギー量が、総発電量の25%に達したイギリスでは、火力発電だけで需要電力の変動に対応することが、難しくなってきた。
 電力量を調節する新たなシステムが求められているのだ。

 取り組みの候補として考えられのは、揚水発電 (pumped hydopower)、リチウムイオン電池 (lithium-ion batteries)、低温エネルギー貯蔵プラント (cold energy storage plant)の3種目。
 揚水発電は、夜間の余剰電力を利用して、高所(uphills)に建設した人工池に水を汲み上げて置き、必要に応じて、落差を利用した水力発電で電力を供給する方式。しかし、このシステムは厳しい立地条件の制約を受けるとともに、建設コストが膨大になる。
 一方、リチウムイオン電池は、携帯デバイス、電気自動車などの小規模の需要には瞬時に対応できるが、都市電力用の超大型の作製となると、現時点ではコスト的に無理。
                                   
  とすれば、残るは「Cryogenic energy storage plant (極低温エネルギープラント) 」。


"Cryogenic storage works by using renewable or off-peak electricity to cool air down to -190 degrees C, which turns it into a liquid."
"Its then stored in a insulated tank, similar to a large thermos flask. To release the stored energy, the liquid air is exposed to ambient conditions causing it to expand back into a gas. The volume increases is huge, about 700 times, which is used to drive a turbine to generate electricity."


[ この極低温エネルギー貯蔵システムは、再生可能エネルギーあるいはオフ・ピーク時間帯の電力を利用して稼働され、空気を - 190℃まで冷却して液体空気の状態にする。]
[ それを断熱タンクに貯蔵する。この容器は巨大な魔法瓶のようなもの。貯蔵されたエネルギーを利用する際には、液体空気を周りの環境条件下に曝して、気体に戻してやる。
このとき、空気の体積は約 700倍と、途方もないほどに膨張する。この高圧の空気を発電タービンに送って電力を起こす。]

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 なお、試験プラント (demonstrator plant)は、イングランド Manchester の「Pilsworth landfill gas generation site (ピルスウォース廃棄物ガス発電施設)」の側に建設され、その施設の「waste heat (廃熱)」を利用して、「Cryogenec process (極低温プロセス)」の効率を高める計画だ。    

                                             (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com