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カクテルを勧めないで、飲ませないで:ミツバチが死んでしまう! (BBC-Science, August 5, 2021)

European honey bees

 ブドウにモモ、リンゴ、ナシ、ミカンなどのフルーツは、どれも糖度が高くて美味しい。しかし、フルーツは昆虫も大好き。とくに蛾・チョウ、ダニ、コガネムシカメムシなどは、居ても立っても居られないほど好きだ。

 だから、果樹園では、冬場を除いて常に殺虫剤を噴霧しないと、せっかく実ったリンゴ、ナシ、ブドウなどは、とても売り物にならないほどのダメージを受ける。農家にとって、殺虫剤は欠かせないのだ。

 

 このような背景があって、農家は殺虫剤を求め、製薬メーカーは次々に強力な殺虫剤を開発してきた。そのお陰で、消費者の需要の高い、甘くて、大きくて、形のきれいなリンゴ、ブドウ、ナシ、ミカンなどのフルーツを大量に、かつ効率的に生産できるようになった。

 

 一方、殺虫剤は害虫も殺すが、ミツバチも殺した。どの国でも、殺虫剤を頻繁に使用するようになると、世界中のミツバチは、その個体数を激減させた。

 

 Texas大学の Dr Harry Siviterらの研究によると、とくに、農家が使用する「ready- mixed into ‘cocktails’ (数種類の成分を調合した殺虫剤)」が、ミツバチに「synergistic effect (相乗効果)」として働き、製薬メーカーが予想もしなかった強い殺虫力を発揮していることがわかったという。(研究結果の詳細は「The Royal Society journal Proceedings B」に発表。 )Meadow

 さらに、ミツバチの生息を脅かしているのは、牧草地の減少だ。UKでは、この 90年間で、野草に満ちた牧草地が 97%も消えた。ミツバチは、殺虫剤で仲間を失い、食糧を調達する場も失ったのだ。

 

 ただし、ミツバチには優れた「adaptability (適応性)」がある。ミツバチの巣に取りつくダニ「varroa (ミツバチヘギイタダニ)」を、独自に進化せた方法で駆除しているという。この能力を活かして、もしかしたら、殺虫剤に対する抵抗力も強まるかも知れない。Varroa mites (red spot) on a honeybee

おわりに:どんな殺虫剤を使っても、地球上からハエやゴキブリを100%駆除することはできない。それらの昆虫には、驚くべき抵抗力があり、遺伝子を変化させて生き残る戦略がある。

 さて、ミツバチは、その能力を存分に発揮して、この過酷な自然環境を生き延びることができるだろうか。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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