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ごまかし上手なカケスの目:手品のトリックでごまかせるか! (RTE-News, June 15, 2021)

Watch the birdie. Photo: Piotr Krzeslak/Shutterstock

 カケス (European jays)は、カラス科 (crow familiy)の鳥。エサを隠すことにかけては抜群の能力がある。手品師 (magicians)の得意な「misdirection (目眩ましの術)」に匹敵する、巧妙な技を使う。エサを隠すとき、仲間の注意を他に惹きつけておいて、すばやく隠すのだ。

 

 そこで、Cambridge大学の Dr Elias Garcia-Pelegrinらは、カケスの能力を探るユニークな実験を実施した。はたして、熟練した手品師の早業 (sleight of hand tricks)を見破ることができるのか。もし、人間の目がごまかされる早業がカケスに通じないとすれば、それはなぜか。

 

 実験には、6羽のカケスの他、比較のためにボランティアの人 (80名)にも参加してもらい、手品の基本的なトリック

・Palming:手の中にコインを隠すマジック

・French drop:両手を交差させた瞬間にコインが消えるマジック

・Fast pass:テーブル上で、コインを瞬時に左右の手に移すマジック

が演技された。

 

 上のどのマジックでも、観客はみな手品師の「misdirection (目眩まし)」にだまされた。

 しかし、カケスは「Palming (パーミング)」と「French drop (フレンチ・ドロップ)」のトリックを見破り、どの手に手品師がコインを握っているのか、見間違うことはなかったという。

 カケスには「手の動きから、次に起こることが予想できない」ためと考えられる。つまりカケスには「preconceptions (先入観)」がないのだ。

 ところが、すばやくコインが動く「fast pass (ファスト・パス)」のトリックは、さすがのカケスもだまされた。カケスの視界は人間に比べてはるかに広い。それでもトリックにだまされるということは、人間と同じような「blind spots (盲点)」があることを意味し、視覚システムが人間の眼と同じような進化の「methodoligies (道筋)」をたどったと考えられるという。

 

 ただし、カケスの注意・知覚の盲点が、人間の「perceptive failures (知覚障害)」のようなものなのか、それとも、他の理由によるものなのかは不明。この点については、さらなる研究が必要とされる。

おわりに:カラスもカケスも、人の行動をよく観察している。人の手の動きに対して先入観がないというのは驚きだ。冷ややかなその眼で人間の事実だけを見つめているのだろうか。

                      (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie