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Einsteinの相対性理論は間違っていた?:ダークマターの真実! (BBC-Science, May 27, 2021)

Map of Dark Matter

  この宇宙 (cosmos)は、目に見えるもの (visible )20% と見えないもの (invisible)80%で構成されている。目に見えないため直接観測できないが、質量があり、宇宙に充満している。それが正体不明の「dark matter (ダークマター暗黒物質)」。

 

 その存在あるいは空間密度 (concentration)は、光の進路をゆがめることで検知、測定できる。地球に届く、はるか遠くの星の光が大きくゆがめられたら、その星と地球との宇宙空間には、高密度のダークマターが存在することになる。

 

 この原理に基づいて、国際研究「Dark Energy Survey」チームは、チリの「The Victor M Blanco telescope (ヴィクター Mブランコ望遠鏡)」を使って、約1億個の星雲 (galaxies)の画像を解析し、南半球天空の約1/4をカバーする「Dark matter map (ダークマター分布図)」を作り上げた。Blanco Telescope

 出来上がったマップは意外だった。おおかたの天文学者の予想に反し、宇宙空間に分布するダークマターの疎密、すなわち何も存在しない「voids (ヴォイド)」とダークマターが集中する「halos (ハロー)」が生み出す「cosmic web (コズミック・ウェブ、宇宙のクモ巣)」には、極端なムラがなく (smoother)、ダークマターは「塊状 (clumpy)」になるまで濃縮せずに、むしろ「evenly spread (宇宙全体に一様に分布)」していた。

 

 これは一体どうしたことか。138億年前、宇宙は「ビッグ・バン」で誕生した。そのとき、ダークマターも宇宙に放出されたが、「Einstein’s theory of general relativity (アインシュタイン相対性理論)」によると、ダークマターといえども質量があるため、重力 (gravitational force)が発生して互いに引き合い、宇宙空間には、質量の疎密が明確な「cosmic web」が形成されているはずだ。Full Dark Energy Survey

 しかし、今回、解析された「ダークマター分布マップ」で見る限り、ダークマターの疎密の変化はごく弱いものだった。はたして、現代宇宙論の基盤をなすEinsteinの理論はまちがっていたのだろうか。

 

 Durham大学の Carlos Frenk教授は、ダークマターの真実に大きな衝撃を受けたという。おそらく、今後、宇宙物理学の専門家は、根本的な見直しが迫られるだろうと見る。

  (写真は添付のBBC Newsから引用)

 

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

 

Guardian: May 27, 2021

・Astronomers create largest map of the universe’s dark matter

 

おわりに:『数学、英語。なに、宇宙だと。そんなことは知らんでもええ。田んぼで稲を育てることさえ覚えたらええに』と、昔のいなかの百姓は言ったという。今でも、そんなふうに言う人がいるのだろうか。未知への探求心こそ、もっとも人間を純粋にし、美しくするものだというのに。

  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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