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オークニー諸島の刑事「ワン君」:探すのは 殺し屋「オコジョ」! (BBC-News, May 19, 2021)

Scout the dog in action

 オコジョ (stoats)は、漢字で「鼠」と「由」を並べて「鼬」と書く。しかし、「stoat」は、鼠(ネズミ)とは何の縁も由縁(ゆかり)もない、イタチの仲間だ。学名は「Mustela erminea」。古仏語「hermie」由来の「ermine」とも呼ばれる。その語源はラテン語の「Armenius」。どうしたわけか、これも「mouse」の意味だ。

 

 オコジョは、クリクリした目に、愛嬌のある顔立ち。しかし、その性格は見た目とは大違いで、イタチと同様に至って獰猛だ。

 オコジョ・イタチがニワトリ小屋に侵入すると、まるで、気の狂った殺人鬼が銃を乱射するように、全てのニワトリの息の根を止めるまで、血だらけになって殺戮を繰り返す。

 その振る舞いは、これが地球上の生き物かと目を疑うほど残酷。まさに「genocide (大量殺戮)」を、まったく気に留めずにやってのける小悪魔だ。A stoat

 Scotland本土でリスやウサギを襲っていた、この「殺し屋」が、Scotland北東部に連なる「Orkney islands (オークニー諸島)」の「Mainland (メインランド島)」で、その姿を確認されたのが、2010年のこと。

 Scotland自治政府は早速、「stoats (オコジョ)」の「eradication project (撲滅作戦)」として「The Orkney Native Wildlife Project (オークニー原生種の野生動物(保護)プロジェクト)」を立ち上げ、貴重な生態系が、この「殺し屋」に破壊される前に、手を打つことにした。

 

 2018年にプロジェクト基金£6m (約9.2億円)を確保すると、New Zealandから空輸でハンター犬「Fox terria」の Macca君を Orkneyに運び込んだ。

 しかし、オコジョは「Mainland (メインランド島)」から泳いで「Hoy」、「Shapinsay」、「Rousay」、「Flotta」などの周辺の島々に渡り着く恐れがある。

 そこで、この 4月末から、さらに 3頭のワン君

・Sprocker spaniel:Scout

・Labrador:Spud

・English Springer spaniel:Thorn

に働いてもらうことにした。もちろん、ワン君たちの任務は、その優れた嗅覚で「殺し屋」を探し出すこと。

 

 しかし、ワン君は、野に放たれても、なかなか「stoats (オコジョ)」を探そうとしない。やむなく、プロジェクトチームは、2週間の「intensive training (強化訓練) 」を実施。ようやく、ワン君たちは「dog handlers (ドッグ・トレーナー)」と意気投合し、「殺し屋」探索の臨戦態勢に入った。Thorn the dog

 なお、とくに、「stoats (オコジョ)」の襲撃に晒されている「Orkney islands (オークニー諸島)」原生種の野生動物は、以下のとおり。

 

・Orkney vole:オークニーハタネズミ

・hen harrier:ハイイロチョウヒ

・short-eared owl:コミミズク

・ground nesting birds:地上営巣鳥類

  red-throated divers:アビ

  Arctic terns:キョクアジサシ

  curlews:ダイシャクシギ

 

おわりに:オコジョ・イタチがどれだけ残虐な生き物であるかは、実際にその現場を見ない限り、信じがたい。子ども頃、心を込めて世話をし、貴重なタマゴを生んでくれて大好きだったニワトリたちが、ある夜、イタチに襲われて皆殺しに会った。そのときの悲惨な光景と、深い悲しみは、心から決して消えることはない。

  (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com