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カリブ海を荒らし回った女海賊:ジェンダーの垣根を超えたって? (BBC-News, Feb 16, 2021)

Burgh Island

 17世紀後半から18世紀前半 (江戸時代)のヨーロッパ。「船乗り(seafarers)」は男衆と決まっていた。女性は不運 (bad luck)を招くとされ、乗船することさえ許されなかった。

 ところが、そんな時代にあって男装し、舶刀「cutlass (カットラス)」を振り回して、荒くれ男と渡り合う女海賊がいた。悪名高い「Mary Read (メアリ・リード [1685 -1721)」と「Anne Bonny (アン・ボニー[1697-1733])」だ。二人は「Jack Rackham (ジャック・ラカム [1682 −1720])の手下になり、カリブ海を荒らし回る。

 

 そして、1720年10月、ついに海賊たちの命運は、海賊ハンター「Jonathan Barnet」によって捕らえられて尽きる。女海賊は、すぐさま、首領とともに死刑の判決を受ける。しかし、二人は「身重 (みおも)」であると申し出て、死刑執行が延期された。その後、Maryは監獄の中で熱病に罹って死亡。Annの消息は分からなくなる。

 

 たかだか 36年余りの悪だれの一生であった。女海賊の二人は「inseparable (切っても切れない仲)」、それも、ほとんど愛人関係であったと伝えられる。

Anne Bonny and Mary Read

 しかし、「pirates (海賊)」は、しょせん、海上を行き交う船舶や沿岸の集落を襲って、金品・財産を奪い取る盗賊、悪党に過ぎない。抵抗する者を容赦なく殺した。

 

 その悪名高い女海賊の像 (コンクリート製)が Devonの南「Burgh Island (バーフ島)」の海岸に立った。彫刻家 Ms Amanda Cottonの作だと言う。

 

 確かに、女海賊の二人は、「gender (性)」の常識をくつがえした「exceptional women (型破りの女性)」だったに違いない。しかし、だからと言って、その悪行を称えるかのように、島の海岸に二人の像を立て、景観を損ねることもない。地元の住民は、この像の設置に大反対。「Bigbury Parish Council (ビッグベリー教区会)」は2月15日(月)、満場一致で反対表明を決議した。

 

 なお、この像を撤去するか、残すかについては、後日、「South Hams District Council (サウス・ハムズ区議会)」によって最終決定が下される予定とか。

 

おわりに:ジェンダーの閾(しきい)を超えた女性の行動と、「人殺し・盗み」を一緒に裁きの天秤に掛けることなど、到底できることではない。善良な人間を殺して、その財産を奪った悪行は、決して「善」とは呼べず、その罪は重い。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.co.uk