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ヒマラヤ山脈の小鳥:平地の小鳥と どこが違う? (BBC-Science, Feb 15, 2021)

Parrotbill

 気温 -10℃。ヒマラヤ山脈はとにかく寒い。調査記録をとっている間に、手が凍えそうになるという。

 こんな寒さの中でも、小鳥たちがエサを求めて飛び回る。その一羽が「goldcrest (キクイタダキ)」。体重は小さじ一杯の砂糖の重さほどの小さな体だ。体が小さければ、それだけ体温が奪われやすく、寒冷地で生き抜くためには不利なはず。心臓に送る血液の温度が 40℃。外気温との差は 50℃になる。

 

 いったい、寒冷地に生息する小鳥の保温システムはどのようになっているのか。

 USの「The Smithsonian National Museum of Natural History (スミソニアン国立自然史博物館 NMNH)」の Dr Sahas Barvesawらの研究グループは、ヒマラヤ山脈の小鳥約250種の「羽毛(feathers)」を平地の小鳥の羽毛 (NMNHの膨大なサンプルデータ) に比較し、両者の間には明確な違いがあることを発見した。(研究内容の詳細は科学雑誌「Ecology」に発表。)

Robin (c) Victoria Gill

 なんと、小鳥の羽毛の構造は、その生息環境に深く関係し、ヒマラヤ山脈の小鳥の羽毛は一般に長く、しかも羽毛の深部は「fluffy downy portion (フカフカのダウン)」をまとっていて、まるで「down jackets (ダウン・ジャケット)」を着込んでいるようであった。

Feather under a microscope (c) Miguel Montalvo

 人間がダウン・ジャケットを発明し、これを着るようになるずっと以前から、小鳥たちは、寒冷な高山の環境に適応するために自らの羽毛を進化させていたのだ。

Redstart

おわりに:人間の創意・工夫、知識は限られたものだ。謙虚な姿勢で自然を観察し、また、自然に教えを乞う必要がある。「うぬぼれ」が一番怖い。

 

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com