紫外線バリアのオゾン層を:未だにフロンを排出し、いじめる国! (BBC-News, Feb 10, 2021)
地球の成層圏に存在するオゾン層。この薄い層は、太陽から放射される有害な紫外線を吸収するバリアだ。
ところが、冷蔵庫が世界中に普及し始めた1970年代以降、このオゾン層の破壊が急速に進んで、上空の一部に空白地帯「オゾン・ホール」が観測されるようになる。その主たる原因は、冷蔵・冷凍庫の冷媒や、スプレー缶の高圧ガスとして大量に使用されたフロン CFC (Chrorofluorocabons [フロロフルオカーボン]) だった。
人間が紫外線をまともに受けると、DNAを損傷し、日焼けや皮膚ガンの発症リスクが高まる。
そこで、1987年、「Montreal Protocol (モントリオール議定書)」が締結され、フロンの製造・販売が禁止された。
あれから約 34年が経過した。オゾン層はどうなったか。
Bristol大学の Dr Luke Westernを中心とする国際共同研究チームが数年の歳月をかけて調査し、その結果を科学雑誌「Nature」に発表した。
それによると、オゾン層を破壊するフロンCFC、とくに「trichrofluoromethane (トリクロロフルオロエタン) CFC-11は、2019年の段階で、1980年代後半のレベルまで低下していたが、当初期待していたほどの減少幅は見られなかったという。
その謎(なぞ)を解明するため、Dr Westernらが、South Korea & Japanの観測ステーションのデータを分析すると、CFC−11の主な発生源は中国東部にあった。その後、さらに「The Environmental Investigation Agency (国際環境エンージェンシーEIA」と環境ジャーナリストが力を合わせて調査し、ようやくのこと、CFC-11 の排出源を突き止めた。
なんと、中国南部の工場で、建築用断熱材「polyurethane insulation foam (ポリウレタン断熱フォーム)」が、大量に「illegal production (不法製造)」されていたのだ。これまで、誰もが知らなかったことだ。
おわりに:『人間一人ひとりの健康、人権、生活、そして世界の平和よりも、自国の経済の繁栄と権力掌握体制、国益を優先し、国民の口を閉ざす』」とは、どのような思想または政治哲学なのか。まったく理解に苦しむ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)