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世界最小の新種ミニカメレオン:小指の爪に隠れてしまう大きさ! (BBC-News, Feb 5, 2021)

 The tiny Brookesia nana perched on a fingertip

「名は体(たい)を表わす」という。しかし、その名が、ちっとも実態を表わさないものだってある。「公僕」もその一つ。それに爬虫類の「chameleon (カメレオン)」もそうだ。「chameleon」の語源はギリシャ語「khamaileon」。この語は「khamai (on the ground)」と「leon (lion)」の合成語で、「地上のライオン」の意。

 

 とても、カメレオンが、草原を走るライオンに似ているとは思えないし、カメレオンはもっぱら樹上で生きる爬虫類だ。古代ギリシャ人は、大きな勘違いをしたに違いない。

 

 とくに、マダガスカルの固有種「Brookesia (ヒメカメレオン属)」は、大型肉食動物のライオンに比べて、はるかに、その体が小さいことで知られている。

 

 ところが、ドイツ、マダガスカルの共同調査チームが、2012年、マダガスカル北部の「degraded montane rainforest (荒廃した低地熱帯雨林)」で発見したカメレオンは、極度のミニチュア版だった。オスの体長は 13.5mm、長いしっぽの先から頭のてっぺんまでの長さを測っても22.5mmだった。(メスはオスよりもやや大きめで、28.9mm。)

 

 学術名は「Brookesia nana (ブルッケシア・ナナ)」と命名された。「nano- chameleon」の意味だ。何らかの理由で、「extreme minitualisation (極度のミニチュア化)」の進化の道を選択し、生き延びたと考えられる。

 それにしても、この大きさのカメレオンは、世界の爬虫類 (reptiles)の仲間約 11,500種の中でも、最小。とても、あの「恐竜 (dinosaurs)」の仲間の子孫とは想像もつかない。

Still of nano-chameleon

 これまでジャングルの小枝や葉っぱの影に隠れて、小さなダニ類(mites)をエサにして来た「吹けば飛ぶようなカメレオン」。熱帯雨林の「deforestation(森林伐採)」が進んでは、その命も風前のともし火。

 研究者たちは、さっそく「IUCN (国際自然保護連合)」に対し、「critically endangered (絶滅危惧IA類 (近絶滅種))」としてレッドリストに載せるようにと、申請しているという。

 

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた RTE-Newsも参照した。記して謝意を表したい。

RTE-News、Feb. 5, 2021

・Scientists claim to have classified the world’s smallest discovered reptile

 

おわりに:小さなカメレオンを目にすると、「かわいい、ペットにしたい」と願う人が多いと聞く。しかし、当のカメレオンにとって、檻(おり)のなかで一生を終えることは幸せなことだろうか。

              (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com