鳥類の進化(ウグイスからダチョウまで):秘密はゲノムにあり! (BBC-Science, Nov. 11, 2020)
遠い、遠い人類の祖先 (ancestor)の初期原人が、樹の上から地上に降りて二足走行を始めたのは、今からおよそ500万年〜700万年前のこと。ところが、鳥類の祖先は、それよりも遥か以前の1億5,000万年〜2億年前に、地球上に現われたと考えられている。
鳥 (birds)の種類は約9,000 -10,000種と言われる。小枝を飛び回るウグイス、ミソサザイ(wren)などの「diminutive birds(小鳥)」から空を高速で飛行するワシやタカの仲間、大型の飛べない鳥ダチョウ(ostrich)、レア (rhea)まで、多種多様な種に富み、複雑な系統樹 (family tree)を形成するのが「avian family (鳥類)」だ。
「The Smithsonian Institution (スミソニアン研究所)」の Dr Michael Braunらの研究チームは、その鳥類全種の約 92%をカバーする「ゲノム (遺伝子情報)」すなわち「genetic make-up (遺伝子配列)」の解読に成功した。(研究の詳細は「Nature」に発表。)
かのDarwinに進化の興味を抱かせた「謎のコード」が、今、解き明かされたのだ。鳥類のゲノム (geomes)は、363種のタイプに分類できたという。
Dr Braunによると、鳥類の進化の謎を解く鍵は「humble chicken (地味で目立たないニワトリ)」にある。鳥の一部は、そのlimb (翼)を短く変えた。とくにダチョウなどは「flight feathers (風切羽)」も「toes (つま先)」も不要になったので、他の鳥とは異なり、脚を長くして地上を走り回れるのに適した体に進化した。
遺伝子コードを辿ることによって、ウグイスもペンギン、ダチョウも、どこで、どのように派生したのか、解明できるという。
さらに、Dr Braunらの研究結果は、現在、絶滅の危機に瀕する約 60種の保護に役立つものと期待されている。
(写真は添付のBBC Newsから引用)