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コロナ感染で生き延びて―:肺に傷つき、心はズタズタPTSD (BBC-News, June 29, 2020)

Medics on a ward

 7月に入って、UKでは、コロナ感染者が31万人を超え、死亡者数は43,906人となった。なぜこれほどまでに、感染が拡大したのか。多くの専門家は、UK首相 Boris Johnsonの、初動体制の「もたつき(blundering)」が災いしたとみている。

 新型コロナに感染すると、たとえ運良く病院の隔離治療室あるいは集中治療室から開放されたとしても、肺には大きな傷跡が残る。そればかりか、重症患者の約30%は、心すなわちメンタルヘルスに深い傷を受け、以後、PTSDに苦しめられることが分かった。

 Tracy (トレィシー)さんは59歳。この 3月コロナに感染して重症化し、ノース・ロンドンの Whittington Hospital (ウィッチントン病院)で集中治療を受けた 1人だ。

 

”It was like being in hell.” [ それは、まるで地獄にいるようだった。]

と、そのときの心境を語る。

『病院では、次々とコロナ感染の患者が死んで行った。病棟の医療スタッフは、皆、マスクで顔を覆(おお)っているので、眼だけが見えるだけ。しかも、隔離されているので、とても心細くて、怖かった。』

 そして、ようやく、4月に退院できたものの、その後は、夜になっても、なかなか眠れない日が続く。死ぬかもしれないという恐怖感とフラッシュ・バックに度々襲われ、心も身体も、ほとほと疲れてしまったという。やがて、どうにか、身体は回復できた。しかし、メンタル・ヘルス (心の病)は、ずうとPTSDを引きずったままだった。

A doctor checks on patient notes

 University College Londonの Dr Michael Bloomfieldによると、コロナ感染で重症化した患者は、死の恐怖と精神的な苦痛にさいなまされ、長期に渡ってメンタルヘルスの合併症 (complications)に苦しむことが多いという。

 コロナ感染者は、病院に隔離され、家族からも切り離されて孤立する。これが、メンタルヘルスの症状を悪化させる原因になっているのだ。

 コロナは「人生を一変させてしまう (turning lives upside down)」恐ろしいウイルス。弱い国や意のままにならない住人を執拗(しつよう) にいじめ、侵略の手 (invasive attack)をゆるめない国で発生したウイルスだ。情け容赦などあるはずがない。

 

おわりに:だから、コロナを侮(あなど)ってはいけない。目に見えない、ごく小さな生物は魔物。夜の酒場で、闇に紛(まぎ)れ、隙だらけのあなたを密かに狙う。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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